・四文字の作文。「勝谷」
ルール:使用できる文字は「か、つ、た、に」の四文字だけとする。ただし、濁音(が、だ)、促音( っ )への応用は可とする。
彼、勝谷忠敬。
閣下――津田克太、勝谷に下達。
伝った勝谷。
だが勝谷、突っかかった。且つ、方々に騙った。
津田、戦った。
勝つか? 勝谷。
勝つに懸かったカツ煮、ガツガツ。
だが、閣下が勝った。
闊達勝谷、画家に。
夏に、日華がかかった多花果に花芽。画架にかかった画。
経つか、経ったか。
二月。塚田に発つ。
勝谷が禍に罹った。
津に集った蛾だったか蚊だったかに、かたかた攣った。
「蚊か?」
違った。
蛾だった。蚊に似た蛾。蚊化だった。
蛾が交った。肩に蛾が。
戦った勝谷。
「喝だ! ガッツだ!」
勝った勝谷。
だが、肩にガタが。
がたがた。肩、硬かった。
勝谷、加賀に発つ。脱、塚田。
日課、綴った。
田に立つ勝谷、浸かった。
蟹、釣った。箍がかかった筒、使った。
「掛かった!」
が、釣った蟹たった二。かつかつだ。
買った駄津が高かったが、釣った蟹、無料だ。
活火に蟹。煮立った。
苦かった。
鷹、狩った。蔦、刈った。
鷹、飼った。だが……。
鷹にダニが。
ダニ断つか?
――勝谷、立った!
奪ダニ。
型に吊った鷹。
ダニ、手束。
だが、ダニ脱化。
過多だったダニ。
奪ダニ、可か?
勝谷、戦った。
勝谷、ダニに勝った!
綴った日課、がたがた語ったが、過多だったか、たかだかか?
「かっ、かっ、か!」
勝谷忠敬が語った。
※
下達………上の者の意思を下の者に通じさせること。
闊達………度量が大きくて、小さな物事にこだわらないさま。
日華………太陽。また、日光。
多花果……多数の花に由来した果実が集って、外見上一つの果実となっているもの。イチゴ、イチジクなど。
花芽………成長して花になる芽。
画架………イーゼル。
津………海岸・河口・川の渡し場などの、船舶の停泊するところ。船つき場。
箍………桶や樽の周りにはめる、竹や金属で作った輪。
駄津………ダツ目ダツ科の海水魚。食用。
活火………盛んに燃えている火。
手束………手に握ること。 握り持つこと。
脱化………もとの状態からぬけ出して新しい形式(状態)に変わること。




