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僕らの世界はすべてが言葉で出来ている。  作者: 絢郷水沙
回文編

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110/226

・とにかく長い回文を作ってみたかった。

 警官、警護する火事。

 フィクションか知りたいから気合い入れ、小悪党に質問。

 規範きはんだ許すな。

 見つけて違反次第、逮捕。

 犯人ホシは消えた。

 血落とす露骨な罠。

 思考が近く、胃に死が刺す。

 通るべきは地下。

 バスで嘘得たことが既に片しと思うも不明。

 パス出来ぬ。つい熱く震え、怒り叫ぶ。

 死とはヤクさ。快楽だ。孤独は気持ちいいが退屈。

 居合わせた死に、ダムみたいな池より落とし穴みたいな沼。

 ずしりと重き。何度開け、のちも来た刺客シカク

「馬刺肉が硬い」と文句。しゅとなる寿司行けと憤慨。

 味の保証盛るけど、美味しいことは確かだ。

 メダカの寿司は固い。

 苗から育て、蛾に喰われたかばの木。

 ニアミスやるは誰? 君か?

 破傷はしょう処置知り、立たした。でも違う。揶揄からかえない差異。

 遅配ちはい専念。さあ行くかい? 喧嘩!

 抱きしめたい幸せで崖を下り、跳んだ!

 ……嘘。とても低い。

 ニコ動アニメ、痛いくらい見たい。

 農村世界で俺は農家になる!

 火起こしで鍋、今朝仕込みを工夫。

 苦痛に眠り、捧げる駄犬ダケン

 気怠げ刺さり、胸に打つ。

 空腹見越し、叫べ撫子ナデシコ。お昼何買うの?

 晴れ。汚泥か?

 戦争の痛み。イラク痛い目にあう。

 どこに行く。非モテと相談。

 トリオを怪我で世話。脚痛め。

 式だ。関係各位。朝。

 三年生は小さい苗、揶揄からかうが、血も出た。

 滴りし血。証書は紙切れだ。

 春休み。

 兄貴の馬鹿たれ!

 わく苦手だ。そら飼えない。

 たかは死すのか? 駄目だ!

 貸した鳩、恋しい。

 おどける猛暑。ほの字、愛玩婦あいがんふと。

「軽視するな」と、主君も説いた科学に死。

 砂漠化した気持ちのケア。

 どんな時も劣り、沈まぬ泣いた皆。

 脚通り余計な痛み。無駄にした世話。

 あいつ悔いたが良い。血も気迫。

 ――どこだ?

 暗いか、昨夜は都市部。今朝、理解得る。

 不屈あいつ抜きで。(スパイめ……。)

 不毛も「落としたか?」に「ですが」と答え、「そうです」

 馬鹿、血吐き、ベル落とす。

 探しに行くか、違う腰縄こしなわ

 夏。

 殺すと堕ちた液は死。

 頬痛い打診、吐いてけ。

 罪(なす)る油断は禁物。

 死に疎く、

「あ、これ良い」

 明らか至りし感触。

 フィジカル凄い。喧嘩行け。




【解説&あとがき】

 けいかん、けいごするかじ、ふぃくしょんかしりたいからきあいいれ、こあくとうにしつもん。きはんだゆるすな。みつけていはんしだいたいほ。ほしはきえた。ちおとすろこつなわな。しこうがちかく、いにしがさす。とおるべきはちか。ばすでうそえたことがすでにかたしと、おもうもふめい。ぱすできぬ、ついあつくふるえ、いかりさけぶ。しとはやくさ。かいらくだ。こどくはきもちいいがたいくつ。いあわせたしにだむみたいないけより、おとしあなみたいなぬま。ずしりとおもきと。なんどあけ、のちもきたしかく。「ばさしにくがかたい」ともんく。しゅとなるすしいけとふんがい。あじのほしょうもるけど、おいしいことはたしかだ。めだかのすしはかたい。なえからそだて、がにくわれたかばのき。にあみすやるはだれ? きみか? はしょうしょちしり、たたした。でもちがう。からかえないさい。ちはいせんねん。さあいくかい? けんか! だきしめたいしあわせでがけをおり、とんだ! ……うそ。とてもひくい。にこどうあにめ、いたいくらいみたい。のうそんせかいで、おれはのうかになる! ひおこしでなべ、けさしこみをくふう。くつうにねむり、ささげるだけ(中心)。けだるげささり、むねにうつ。くうふくをみこし、さけべなでしこ。おひるなにかうの? はれ。おでいか? せんそうのいたみ。いらくいたいめにあう。どこにいく。ひもてとそうだん。とりおをけがでせわ。あしいため。しきだ。かんけいかくい。あさ。さんねんせいはちいさいなえ、からかうがちもでた。したたりしち。しょうしょはかみきれだ。はるやすみ。あにきのばかたれ! わくにがてだ。そらかえない。たかはしすのか? だめだ! かしたはと、こいしい。おどけるもうしょ。ほのじ、あいがんふと。「けいしするな」と、しゅくんもといたかがくにし。さばくかしたきもちのけあ。どんなときもおとり、しずまぬないたみな。あしとおりよけいないたみ、むだにしたせわ。あいつくいたがいい。ちもきはく。――どこだ? くらいか、さくやはとしぶ。けさ、りかいえる。ふくつあいつぬきで。(すぱいめ……。)ふもうも「おとしたか?」に「ですが」とこたえ、「そうです」ばかちはき、べるおとす。さがしにいくか、ちがうこしなわ。なつ。ころすとおちたえきはし。ほほいたい。だしんはいてけ。つみなするゆだんはきんもつ。しにうとく、「あ、これいい」あきらかいたりしかんしょく。ふぃじかるすごい。けんかいけ。




 ※ということで、とにかく長い回文を作ってみたくて、そこに主眼を置き、とりあえずそれっぽい言葉を並べてみました。いかがでしたでしょう。今回の回文、平仮名にしたときの文字数は(句読点を含めて)なんと1000文字を超しました。自分史上最長です。

 実際に読んでみると、何となく意味が読み取れそうな感じがして、その実、全く意味がわかりません。こういったところはナンセンス文学に近いのではないかと感じます。

 季節は夏(猛暑)。春休み明けでしょうか?

 登場人物は「警官」「犯人」「刺客」「兄貴」「愛玩婦」「主君」「スパイ」「撫子」「トリオ」「非モテ」「三年生」( それと「あいつ」と「君」と「皆」と「俺」)

 こうして並べてみると何やら犯罪臭がします。


 この回文は初めと終わりの方から作り始めて、だんだんと中に向かって両端から文章を構成していきました。なので最初の方と最後の方は、関連しそうなワードが並んでいます。実は初めはそこまで長くするつもりもなく、ちゃんとストーリーを考えて作っていました。ただ途中から長くする方向性に持っていったので、(むしろ長くしてやろうと)ストーリーそっちのけでやっていました。

 回文の難しいところはやはり中身に意味を持たせることで、ストーリーガン無視で単語を並べるだけならかなり簡単です。

「こんなフレーズも回文に組み込めるんだ〜」とか「ここは、この部分と繋がっているんだ〜」みたいな楽しみ方をしていただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんなに長い回文はすごい……。見事です。 ストーリーもしっかり感じられました。 [一言] やはり回文って単語から考えますけど、話づくりが難しいですよね。 面白かったです。またお願いします。…
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