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獅子の紋章1

この緊張感を耕す鍬が欲しい。


はぁい!私、同じ国の200年後に転生しちゃった元魔法使いのキャサリンです!

転生っていえば、当時好んで内緒で呼んでいた大衆小説のド定番!異世界転生して王子様とラブラブ★むしろ悪役令嬢にだってなっちゃうぞ★ってな感じのものもはずだったんですよ。

ええ。

私もそう思っていました。

しかし、その実態は…。

同じ国の200年後でした。

…それって、何度も言うけど普通に輪廻転生の方だよね!一回死去しちゃって、生まれ変わって何かの拍子に前世思い出しちゃったわパターンですよね!?


おかしい。

私は運命の人を探していただけの転生なはず。

私の運命の人は異世界にはおられなかったという事なのか。ガッデム!

そして、前世でいなかった私の運命の人って200年後にしかいなかったってことなのか。ガッデム!どおりで前世で運命の人いないって占いの結果が出るわけですよ。

私、運命の人に会うのこんなに大変だとは思わなかったわー。

ちょっとケイトつかれちゃったわ!てへ。


って思考が私の頭を数秒占めたところで現状は変わらない。

そう。

今、私の目の前には何故か、たぶん物凄く偉い人だと思われる二人の男性を中心にそのほかの騎士団員たちに囲まれちゃっているからだよ★


嘘でしょー。

何?私、捕まるの?

いや、確かになんか前世でうっすら聞いたことがあるのよ。

いや、私魔法使いの方だったから騎士団の事なんててんで分からないんだけどさぁ。

確か、王立騎士団の学校に入る時の試験に使われる羊皮紙って古代魔術使われていた気がるすわ。

それでもって、その羊皮紙、その後も身分証として大切に保管されて一生物だとかって言われた気がするーっていうか、まてよ?

やだ。

嘘でしょ。

ちょっと待って。

その羊皮紙の原案作ったの私じゃない?

古代魔術を元にしてその人の過去に行った善行悪行すべてが記載されるっていう~。そして面倒だからそれら善行悪行は国の法に引っかかったり国家レベルの行いでない限りは記載されないっていう制限がついていたはず~。


…え、今世の私って16歳ですでに何かしらの犯罪行為、それも国家の法に反するやつしちゃっているの?まぁ、そりゃあ16歳の少女が突然現れたわけだから出生証明とかいうそういう話で犯罪行為として引っかかっちゃっているというえば引っかかっちゃっているわけよね。

・・・・えー面倒くさいな・・・

っていうか、それ私の所為じゃんなくて、人知を超えたあいつの所業じゃないの~?

どうしよう。

はぁここで捕まることが私の運命の相手と出会う宿命だったりするの?

私の運命の相手は犯罪者でしたってオチは止めてよね~!!


と、ここまで更に数秒。

考えているのに状況が変わらないの誰か助けてください。

だって、部屋に呼ばれてから私そっちのけで、たぶん私の羊皮紙だと思われるそれを偉い人だろう二人のイケメンが難しい顔してみているから~。

たまに、本当なのか?とかいうイケメンボイスが聞こえてくる。


っていうか、本当にイケメンだわ~。

こんな状況じゃなかったら拝んでしまいたいレベルのイケメン。

私、自慢じゃないけど好きなイケメンはキラキラタイプじゃなくて筋肉隆々な引き締まった身体からもあふれ出る色気むんむんなイケメンがタイプです!

騎士団長だと思われる、そのお二人がたまらない!


白と黒のコントラスの軍服姿もたまらない!

わー。私、前世魔術的な方でしか男性とあってないからさぁ。

騎士団とかあんまり見なかったから、姿絵だけできゃっきゃしてた方だからさぁ。

まぁ、ええ、一人で。

一人できゃっきゃうふふしていましたよ。

誰か文句あるか。

っていう、その姿絵そのもの、いやそれ以上の体躯が眩しいー!!!

わー。騎士団最高かー。

軍服だけでも美味しくご飯が食べられます!

ありがとう!人知越え!

って脱線している場合じゃないっての。


「あ、あの~」

ちょっともうどうしていいか分からないので声をかけてみる。

だってさ、お父さんが待っているんです。

帰りも送るよ~って。

そのためにお仕事休みを前もって取ってくれたみたいだし。

終了時間ごろにこの学校の門の前で待ち合わせしようねって言っていたし。

その時間が迫っているんだもん。

せっかく出来た優しいお父さんを待たせる訳にはいかないでしょうが!!


と、ミジンコのような勇気を振り絞って時が止まったこの場で再度声を振り絞る。

「そろそろ面接を進めていただいて帰りたいのですが~」と。


私のミジンコのような勇気で絞り出した声で顔を最大限までくっつけていた二人の団長さんの肩がびくっと震えた。

え…やっぱり私、記憶のない16年間でそんなに驚くような犯罪やらかしていたんですか?

どうしてくれよう、人知を超えた者よ。

私の16年間をよくも持て遊んでくれたな…と、再度罵詈雑言を天に向かって唱えようとした私を黒い団長さんの方が止めた。


「あ、いやすまない」

まさしく苦笑。という表情を浮かべながら黒団長さんが手を顔の前に出す。

黒が団のカラーだから黒手袋とか、ご褒美ですか、そうですか。

「不備、というか少し聞きたいことがあってね」

腕を机の上において手を組むとか、何かのご褒美ですか、そうですか。

じゃなくて。

あ、やっぱり犯罪者ですか?私…。

絶望の表情が浮かぶのが自分でもわかる。

「…私、捕まっちゃうんですか?」

そう言った瞬間、部屋の動きが一瞬止まった。

犬かいたい。

わんこーわんこー。

っていうか自分で入力しといてなんだけど、14歳の呪いが消えない。

くそーいくつ14歳って入力してんだ。

年齢を何度もうつな数時間前の私。


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