あ、そうです、私、記憶喪失です!
地図が読めず泣いて帰ってきた娘に対して、うちの両親はやはり優しかった。
むしろ、うちの娘はやはり可愛いと嬉しがられた。
どうしよう。
うちの両親がむしろ素晴らしすぎて泣ける。
「いや~、やっぱりそうかなって思ってたんだよね~」
一緒に乗っていく馬をニコニコと用意しながらお父さんが言う。
昨日からきっと変な行動ばかりとってきただろうに優しいお父さんに心がじ~んとしてくる。
やばい。また泣きそうだ。
ごめん、お父さん。
昨日から出来たお父さんとお母さんに私はもう感謝しかない。
前世でこんな扱いを受けていなかった私にとって両親の優しさがクリーンヒット中です。
「…えーと…」
何も言えずにいる私にお父さんは言わなくていいよと優しい眼差しで頷きながら頭をなでてくれる。
「大丈夫だよ。学校には記憶喪失になってしまったと報告はしてあるから」
ん?
今、なんと?
「ふふふふ。昨日からケイトが何も言わないから、僕らも何も言わないほうがいいのかな~って思っていたんだけど。ちゃんと言えばよかったね」
お父さんから良くわからない言葉が発せられているこの状況に動きが止まり、思考回路はショート寸前だ。
え?
なんて?
「大丈夫、君がうちの娘になったのって昨日だから」
ええええ?
だから、今、なんて????
「いやぁ、僕の家系って元をたどれば神官の家系でね?」
…ほう…
「だから時々、奇跡が起こるの」
ん?
「でね。一昨日の夜に奇跡が起こってね?」
ん?
「汝らに娘を授ける。大事に育てよ。彼女は魔法使いの素質が大いにあるが、今生では騎士にもなりたいらしいので騎士学校に通わせるよう手配している。汝らに恩恵を授ける。ってね」
てね?
「次の日二人で起きてみたら僕らの記憶の中にケイトがいたんだよね~。お告げを聞いたときは妻のお腹の中に子供を授かるのかな~とは思ったんだけど、まさか16歳の子が突然現れるとは思っていなくてね~。いや、でもね、確かに騎士学校に通わせる手配をしたって言ってたねーって妻と大笑いしたよ」
大笑い。
「だから大丈夫だよ。僕らは昨日からの親子だけど、僕らは娘が本当に欲しくて欲しくて毎日祈っていたのだから。だから、ケイトがうちの子になってくれて本当に嬉しいんだ。ありがとう」
ちょ・・・人知ー!!!!
人知を超えたあやつー!!!!
説明と奇跡が、ざつー!!!!
この状況、どうしたらいいんだ。
「うんうん、混乱するよね。とりあえずは、騎士学校の試験に行こうか。さ、乗って?」
点目になりながら、お父さんの手を取り二人で馬に跨る。
時間はあるからゆっくり行くねと言われ、ぽくぽくと二人で馬に揺られる私だった。
ちょ、人知!
崇め奉るとかどころじゃなくて!
この状況を普通に受け止めて大笑いした両親も両親だけど!
こんなんでいいのか!
奇跡の力、もう少し丁寧なフォローお願いしてもいいですかねー!!!!
昨日の普通を装った私、滅茶苦茶恥ずかしいー!!!!
馬に揺られながら、この世界の説明を受ける私、16歳。
心の中で思い浮かぶ罵詈雑言を人知を超えたあやつめに、何度もぶつけていたことは許していただけるかと思う。
遠い目をしながら昨日から出来たお父さんとの距離を縮めた私だった。
「ちじめる」の漢字変換が出来ないんだけど、どうすればいいのかなー。
日本語がワカラナイヨ、パトラシュ。
あと、一番最初転生年齢が14歳の設定だったのですが、ちょっと問題ありというかロリコンになるなこれ、この野郎と思ったので設定年齢を16歳に変更しました。
まぁ若干アウトなんですけど、学園ものを書きたかったので。
ロマンス関係ない、学園もの書きたかったので。→大事な事なので二度いいましたがこれラブコメ扱いなんだよな。どうしてくれようか。