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入学式3


 教員の証の群青色の制服に身を包み必要な書類を持って部屋を出る。

 今日は、受け持つクラスが発表される日だ。

 今までこの学校を卒業してからはずっと白い軍服に身を包んでいたからか、何となく群青色の制服に慣れず、新鮮な気持ちで身が引き締まる。

 白い手袋は以前と変わらず手に馴染んでいるものの、教員という仕事も初めてなので初のクラス発表にドキドキが止まらない。

 (…あー緊張する。まるで僕の入学式みたいだ。)

 前回、街でキャサリン・ヴィルフリートと兄に会ってからベルグマントからの指示の変更があって一時は『監視』だった指示が、今度は『見守れ』に変更された。

 どのような変化が起こったのかは分からないが、監視よりは見守る方がローレンスの気性にあっていると自分でも思う。

 (それに…あの兄弟が悪いことをするとも思えないし…赤や黒はまだしも白の獅子の紋章で監視はないと思っていたし。よかったよなぁ)

 考えながら管理棟の廊下を歩いていると元黒士団団長のハロルドが側近のニコラスと一緒に前を歩いていた。

 声を掛けるか迷う微妙な距離だなと思い、声を掛けずにゆっくり後を追うかと思っていたら、後ろから自分の側近であるネイサンが声を掛けてきた。

「おはようございます。団長!」

真面目なネイサンらしく挨拶時には一端止まり、以前同様の挨拶をしてきた。

「うわっ!びっくりした~…おはよう、ネイサン…っていうか…僕もう団長じゃないから、そういう堅苦しい挨拶はいいよ~」

「そうですか?」

「そうそう、僕、元々団長って柄でもなかったし。まぁかといってまさか僕が教員になるとは思ってもみなかったけどね」

「そうですね、自分もまさか団長が教員になるとは予測できませんでした」

「…お前ねぇ…少しは僕の事、尊敬してもいいんだよ…」

 相変わらず、ローレンスの事を団長と呼ぶくせにこれっぽっちも尊敬していないネイサンに肩の力が抜ける。

「尊敬はしていませんが、信頼はしていますよ、団長」

「…はっきり言うなよ~。っていうか、だから団長は止めてね」

「では、何といえば?今まで通り、ローレンス様でいいですかね」

「…ローレンスでいいよ。同じ教員になったわけだし」

「…ローレンス…呼び捨てですか?…なれませんね」

「…僕もなんか、お前に呼び捨てされるの慣れないけど…」

というか、呼び捨てにされて少しイラっとしてしまったことは隠しておく。

「ローレンス先生とかですかね」

うーんと考えながらネイサンが言う。

「…じゃあ僕も、お前のことネイサン先生って呼ぶべき?」

「…いやですね」

「そうだな」

 お互いにいやな顔をしながら顔を見合わせる。

「…じゃあ、やっぱり呼び捨てですか?」

「それがいいと僕は思う」

「…ローレンス…なれないなぁ…」

 確かに、慣れないなとローレンスも思いながら目をそらした。

「ところで、今日、受け持ちクラスが決まるんですよね?」

「そうだ」

「僕はローレンスと一緒のクラスなんですよね?」

「そうなるな、きっと。ニコラスもハロルドと同じクラスの担任になるらしいから、僕たちも二人ペアじゃないか?」

「どのクラスになりますかね」

 話しながら管理棟の外にでると、ネイサンと話していたからかハロルドたちの姿が随分と遠くになっている。

「まぁ、ハロルドも僕たちもたぶん1学年の担任になる事は確かかな」

「あぁ、キャサリン・ヴィルフリートの件ですね?」

「あぁ。まぁ監視じゃなくなって見守れという指示だから以前よりはそんなに堅苦しくならなくてよくなったが」

「…見守れというか、騎士総長の話だと、どちらかというと守れという意思を感じませんでしたか?」

 確かにとローレンスは思い返す。以前は要注意人物的な扱いだったのにしばらくしたら、今度はまるで王族の様に警護せよ的な意味合いでの見守れという指示が下った。

「そうなんだよな。何があったかは知らないが、決して傷つけるなというか…警護の意味合いの方が強い指示に変更されていたな」

「でも、よかったですね」

 管理棟を出て、一同は時計塔を目指す。今日も正確な時を刻む時計塔は日の光を浴びて荘厳な雰囲気を醸し出している。

「何が?」

「だって、きっと僕たちじゃなくてキャサリン・ヴィルフリートのいるクラスはハロルド団長たちが受け持つ事になるでしょうから」

「お前…お前の中の僕の評価、低すぎないか。…まぁきっとそうなるだろうけど」

「ですよね」

「ですよね、じゃねぇよ」

「希望とか、ないんですか?」

「希望ねぇ‥まぁ、実は僕の弟が入学してくるんだが…」

「え!初耳です」

「…言ってなかったからな」

「ローレンスの弟さんでしたら、やっぱりAクラスですかね」

「…いや、たぶん…Dクラスだと思う」

 ローレンスの青い瞳が遠くを見つめる。

「何故ですか?ローレンスの弟さんでしたら、成績優秀でしょうに」

「…それがなぁ…奴の能力は著しく運動神経に偏ってしまっているんだよ」

「…」

 ローレンスの青い瞳が死んだ目になっている。

「つまり…入学式前の筆記試験がたぶん…」

 全滅だと思うんだ。と、消えそうな声でローレンスが呟いた。



最近、更新が遅くて申し訳ない。

9月はどうも、鬼門で。毎年体調が芳しくないんですよ。

低気圧の所為だと思うんですけど。

つらいーこの時期が、つらいー。

そんなときに待望のゲームが出るんだね。

どうしよう。うふ。→おい!

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