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夢探偵。  作者: caem
9/20

夢・転生。

今回は、悪のりしています。


 自分は極道(ヤクザ)だーー、分かりきっていた。

 若頭に辿り着くまで。

 淡々と地獄の日々を渡り歩いてきた。


「往生せいやーーーッ!!」


 出刃包丁を抱えて突っ込んできた鉄砲玉は数知らず。

 じつに何度もその命を奪われてきたたことだろう。

 その都度つらい。

 ただ、幼馴染みの()の笑顔だけがこびりついていた。

 


「なぁ、遊夜ーー、これ(・・)、どういう状況やと思う?」


「いや、分かんないけどーー、長門(ながと)っちは?」


 お互いに(なす)り付けあう。

 窮地(ピンチ)(なす)り付けあいだった。

 本気だったーー、まだ友人だから許せる。


 いままで『夢探偵』として、わりと単純に解決してきた。

 今回(・・)もまた、単純に解決されるモノだろうと。

 ただ、まさかーーこんな状況に陥るなどとは思ってやいやしなかった。


 遊夜はかなり後悔している。

 軽い気持ちで依頼を受けてしまったことに。


 標準装備はまるでレベル1の革製品。

 武器は、ひのきのぼう(・・・・・)だった。

 ふたり(・・・)が闘っていたのは、いわゆるラスボスらしい。


「これーー、勝てンのか?」


 ちょっとキツイ、どころではない。

 ふたりは何度も繰り返し、また定番の台詞を聞くこととなる。


「おぉ、死んでしまうとは何事ぢゃ」


 自分達は勇者さまなどではない。

 ましてや、冒険者などでもーー。

 直ぐにでも、その玉座を粉砕したくなってしまう。

 その気持ちはわかるだろう。



 ☞



「……姉さん、起こしたほうが良いっスか?」


「いやぁ~、やめといたほうが良いンじゃあない?」


 良い年した男同士がソファーで抱き合っていた、くんずほずれず。

 かなり見苦しかったのだろう。

 いわば、それはおっさんずラブ。

 BL(・・)のその遥か上をゆくのだろう。


「う~わ! これはちょっと……ヤバくないっすか!?」


「気にしないほうが良いよ、サブ」


 まざまざと見せつけられてゆく。

 悪夢にハマってしまったーー、その光景を。


「はわわわわ…………」


 いたって冷静だった日南子は、始終スマホで録画していたのであった。


「売れるね、これは……」


 心底アニキを心配している。

 サブの気持ちなど知るよしもなかった。

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