表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢探偵。  作者: caem
3/20

ギャラリー。

まだ、始まったばかりです。

どうか、ごゆるりと。


「はい、あなたはもうすぐ夢を見ま~す」


 ものすごく胡散臭い催眠術のように。

 長年付き添った助手、日南子ですらいまだに眉をひそめている。

 そもそも依頼主は寝られずにいたというのに。

 

 だが、そんな特殊なパターンを無視して。

 横たわった瞬間から依頼主が眠りに堕ちてゆくーー、健やかに。

 これは流石と言うしかない。


「すやぁ……」


「よっしゃ、逝ったな」


「ちょっと遊夜さんっ、表現っ!」


 日南子が心配するのも当然だろう。

 履き違えれば、最早これは暗殺に等しい。

 自由自在に寝かしつけるというーー、まずそこが凄い。

 流石。 『夢探偵』と名乗っているだけはある。


「……で、やるんですよね?」


「ん? たりめぇじゃん」


 優しく寝かしつけたからには、準備を済ませて。

 

 依頼主の髪型を掻き分けて、その額にくちづけた。

 まるで、おやすみなさいの儀式みたいに。


 そこに遊夜は飛び込む。


 他人の中身へと、物語と人生に。

 決して深くは関わらないように。

 遥か深い、海原へと。


 そして、どうしてこうなったのか。

 あくまでも客観的に、冷静にーー。


 プクプクと泡をはきだしながら、シュノーケルなど一切装備しない。

 一流のダイバーのように、やがて依頼主の悪夢の海原へと飛び込む。

 まだ始まりから、中心部分に辿り着いてゆくにつれて。


「ははーん、なるほどね~」


 経験値がモノを言う。

 夜を遊ぶ者からすればこんなのは、赤子の手を捻るより容易く目に見えていた。


 ただ経緯を事細かく知らなければならなかった。

 やがて、渦巻く闇に呑まれてゆくのを堪える。


 『夢探偵』と名乗るからには、それはどうしても避けられない。

 遊夜は、依頼主の決して触れてはならない部分(・・)に、さりげなく覗く。

 解決するために。


あくまでも不定期連載ですよー。

(^_^;)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ