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夢探偵。  作者: caem
17/20

ライラライ。


「まだやれるな!」 「いや、もう……ちょっと……」


「大丈夫だ! お前は絶対チャンピオンになれるんだ!!」


 ーー過大評価しないで欲しい。

 いままでずっと騙されてきた。

 

「さぁ、行け!!」


 バシッと背中に叩きつけられる張り手の痣は、今や()の代名詞だった。


「キャー!! 紅葉(もみじ)ぃぃぃ!!」


 ただマウスピースを噛み締める。

 声援なんてそんなのはいつも、邪魔でしかない。


「じっさい戦ってンのはーー、()だけだってのに……」


 判定勝ちでも、勝ちは勝ちだ。

 ボクサーとして一躍有名にはなったが、正直なところ一般人(・・・)になりたい。 憧れすら抱くほど。


「あ~~~、こりゃイッ(・・)てんなぁ」


 結局、チャンピオンの地位はキープできた。


 虫歯でもないのに歯医者さんに予約をする。

 それが日常茶飯事になっていた。

 ぐらついた奥歯を頬越しに確認しながら帰路に着く途中ーー、見馴れない文字を目にする。


夢探偵(・・・)……??」


 彼の人生には決して関わることはなかっただろうに、ふらふらと。

 こんこん。 扉にやさしく。


「は~い、ちょっと待ってて~」


 甘く透き通った声。

 ガチャ。


「えぇ~っと…………どちらさまですか??」


 こんなに必死に頑張ってきたのに知られていなかった。

 ものすごく悔しいーー、だが目の前にいた美少女にトキメキは隠しきれない。

 いままで戦ってきた強敵の、その誰よりも抜きん出ている。


 むさ苦しい世界ばかりみてきた。

 そんな世界に、ひときわ明るい。


「どうした~? 日南子っち…………って、うおっ!!!!」


 これが普通の反応だろう。

 当事務所のボス、遊夜のそんな素振りなど全く気にせずに。


「自分、秋野紅葉(あきのもみじ)って言います!」


「あ……はぁ、どうも」


「結婚してください!!」


 ーー開いた口が閉じない。

 日南子はただ食べ終わった食器を返すつもりでいた。

 業者さんが来てくれたものばかりだと。


 突然イケメンに告白されるなどとは思ってもいやしなかった。


「…………え? 何なの(きゅん)…………」


 トキメキは見逃さない。

 騙されるな日南子。

 お父さん、許しませんよと。


「いったい、どういった御依頼でしょうか?」


 遊夜はプロボクサーのチャンピオンにも怯まずにいた。

 素手では勝てないとしてもーー。

もうすぐ終わりますけど、お付き合いください。

(^_^;)

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