12/20
あと少し。
「毎日、殺されるんです」
ーー夢で、と括られていた。
普通なら何のギャグだと嫌がらせだと。
わりと珍しくはない。
『夢探偵』という看板を掲げてからというものいくつもあった。
ただこれは真剣だと感じた。
なぜならーー、まず真っ赤だったし。
赤ペンで書いていたようには感じない。
一文字ずつ読んでいく度に、吐き気を催す。
それぐらい…………かなり切羽詰まった状況が記されていたのだ。
「明日、また殺されます。 どうかーー助けてください」
差出人の名前と住所を確認しつつ、朝っぱらから重い空気に満たされる。
遊夜は、堪えきれない。
正直、勘弁してほしいと。
思わず眉間の皺が痛くなるほど、うんざりしていたが…………やがて。
「やるしかないよなー」
陰りひとつない青空に向かって、覚悟を決めた。
「日南子ちゃんーー、珈琲といつものね?」
「は~い」
正直、これで最後にしてほしいと。
そうーー、思っていた。




