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間違い続けた選択
人生を間違えたと、いつも考える。
ならば、選択を誤ったその場面に心当たりがあるということなのだろう。
そこで私は考えた。
あの時も、またあの時も、さらにあの時も、私は間違えている。
今になって間違いだったと気が付くものもあれば、間違いだと分かりつつも意地で選択したものもある。
後悔なんてしても遅い。
いや、遅いと表現するのも間違っている。
先に悔やめなどしないのだから、間違えてたどり着いた今を受け入れるしかない。
ならば、これから先の選択はどうだろうか。
私が夢を追うことは、正しいのだろうか。
夢など追わず、堅実に生きればいいのだろうか。
そんなものは、成功も失敗もしていない今の私には分からない。
……けれど少なくとも、間違っているかもしれないと疑う時点で正しくもないのだろう。