(2)登校・オリエンテーション(陽子「会長さんにきちんと働いてもらうのは私の仕事かな」)
登校して教室に入るとクラスのみんなが私の制服に反応した。
「あれ?古城さんの服装って今日、何かあったっけ?……あ、1年生向けのあれか」
そんな声が聞えてきた。私がスカートを引っ張り出してくる時は何かしらのイベントだなとバレているのは構わないんだけど「古城の制服チェンジは一種の季語だな」とか言うのは止めて欲しいとは思う。言わないけど。
そしてまるで当然の事のようにオリエンテーションの冒頭に生徒自治会長による挨拶がある訳なんだけど、面倒だし会長だからって当然視されるのって何よと毎度思ってしまう。
思わず筆頭副会長の陽子ちゃんにお願いしてみた。
「ねえ、陽子ちゃん。たまには私の代わりに挨拶をやってみない?きっと楽しいと思うよ?」
親友はきれいな顔が台無しになりそうな勢いで思いっきりため息をついた。
「それは会長の仕事だから。ほんと、冬ちゃんってズボラ。油断も隙もないし」
「ズボラってそこまで?」
「じゃあ、もっと厳しく言ってもいいけど。それでいいの、冬ちゃん?」
仕方ない。今日も真面目に会長します。はい。
体育館内に今日の司会を引き受けてくれている放送委員長でアナウンサーの桜井さんの声が響いていた。
「……それでは中央高生徒自治会長の古城ミフユさんより挨拶頂きます」
陽子ちゃんは私の耳元で「さ、冬ちゃん。会長の仕事、仕事」と囁かれると背中を押されて壇上へと押し出された。




