表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

伍話〜孤独な部屋へ〜

5階まで、階段で昇るのは、毎日のことではあるが、やはり辛い。しかしながら、毎日続けることは、当然、適度な(?)運動になる。そのおかげかは、定かではないが、案外体力はあるほうだ。中学の頃は、部活動には所属していなかったが、100m走は、クラスで三番目に速かった。


やっとの思いで、扉の前にたどり着くと、ポケットから、乱暴に鍵を取り出し、鍵穴に差し込んだ。




簡単に開いた扉を入ると、靴が一つも見当たらない、その割には埃の溜まった、玄関が姿を現す。

左側の棚の上には、仲の良さそうな四人家族の写真が飾られている。父親、母親に挟まれるように、幼稚園生と小学校中学年ほどの、子供二人が挟まれるように、写っている。写真の左下の日付は、今からちょうど、10年前である。そこに置いてある物は、その写真一枚だけである。それよりも、新しい写真は、この家には一枚もない………。


正文は、その写真から目を逸らすように、靴を脱ぎ捨て、足速にリビングへと向かった。


勿論、リビングには誰も居ない………。




少し運動をすれば、喉が渇くのは、当たり前の事である。当たり前過ぎて、喉が渇いた理由なんて、気にもしないが、渇きを潤す必要を感じたので、正文は、冷蔵庫からコーラを取り出し、勢いよく飲み始めた。階段を昇る事が、毎日の事なら、それと同時に、この行為も毎日の事になるのだった。飲み終えると、自分の部屋に入っていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ