5月[ミサンガと記憶] 2.出会い
2部スタートです。
俺 「はぁ〜・・・・」
多分、目を覚ましたあいつらが、俺のことに気付いて幹彦Tに言ってくれるとおもうんだけど。いつになるかわからないしな〜。ってなことを延々と考えながらベンチで俯いていた。
ふと、顔をあげると、そこに、1人の女子が立っていた。そしてベンチに座っている俺のことをじっとみていた。まさか、この女子もおいていかれたのか!?と一瞬考えたが、こんな女子はみたことがない。それにしてもこの子、美人でかわいい。色白で、少しやせ気味で・・・守ってあげたくなるタイプだな。あ〜・・俺の思考ドン引きやわ〜。・・・・・・・・
は!いかん。こんなにじっと見てたら変な人だと思われてしまう!
女子 「あの〜?」
俺 「へ!?お、俺??何でしょうか?」
女子 「おひとりですか?」
俺 「う、うん。そうだけど・・・」
やべ、こういうタイプの女子と喋るのは初めてだから緊張する。どもりまくりでかっこ悪いな〜・・・俺。まぁ、うちのクラスの女子にも晴みたいな美人はいたりするけど、そこは慣れというやつ。
ってか俺、なんで話しかけられたんだろ。容姿は普通ですよ!?
女子 「私、ここ来るの初めてなんで、ご一緒していいですか?」
ああ、そういうわけね。
って・・・は? ちょ、マテ。夢か?現実か?こんなのも初めてだ。
俺 「ぇ?どーいう意味でしょうか?俺・・・だよね?」
女子 「あ・・えーと・・・私も1人で寂しいから、一緒にあそんでくれないかなーって・・・」
と、少し顔を赤らめて言った。ダメだ。この顔で俺ノックアウト!俺は知ってる人なんか誰もいるはずはないのに、周りをキョロキョロしてから
俺 「俺でよければ。」
まぁ、冷静に考えると、何で俺なのか?とかいうことになるが、この子がかわいいからどうでもいいや!・・・これが男というものです。
女子 「アリガトウゴザイマス!」
と、彼女は満面の笑みで言った。断らなくてよかった〜。俺は彼女をベンチに座らせて、とりあえず名前やら、どこに行きたいかを聞くことにした。
女子 「私、若葉って言います。これからは・・・と言っても今日1日だと思いますが、名前で呼んでくださいね!」
俺 「若葉・・さん?俺は叶汰。」
若葉 「あ、呼び捨てでいいですよ?私は叶汰クンって呼びますね。」
俺 「え?ああ・・・じゃぁ、わ、若葉。」
あぁ〜!!俺何緊張してるんだ!情けね〜!!!
若葉 「はい♪」
俺 「どこに遊びに行きたいの?」
普通は男のおれがエスコートするもんだけど、俺は学校であのメンバーとつるんでるだけあって、他の奴らが行きたい所についていってるだけだから・・・そういうのはワカラン。だから、あえて聞くことにした。
若葉は数秒間考えて・・・
若葉 「ゆ・・・」
俺 「ゆ?」
若葉 「遊園地!」
恥ずかしそうに言った。別に恥ずかしくないんじゃないかな・・・まぁ、いいや。俺はできるだけさわやかな笑顔を作って
俺 「わかった。地図があるからこれの中から選ぼう?」
俺はポケットから地図を出した。
・・・・
は?地図?あ〜〜〜〜〜!!!!!そうだった。豪に貸したあと、なかなか還ってこないから、未来矢に借りたんだった。なんてこったい!
若葉 「どうかしました?」
俺 「いや、ハハハ・・実はね。」
俺は今までの経緯を若葉に話した。
若葉 「そんな話、聞いたことありません・・・。すごく大変でしたね〜。でも、私は嬉しいです。そのおかげで、こうやって叶汰クンと遊べるんだから。」
ああ・・・嬉しすぎる。これが夢だとしても、その日の朝の目覚めは最高だろう。実際現実なんだが。




