5月[ミサンガと記憶] 1.回想 その3
5分後―。
コンコン
・・・・・
ノックの音がした。ついに来たか。皆、息を殺す。
コンコンコン!
鍵はかけてないから、そろそろ入ってくるだろう。
コンココ・コンココ・コココココンココ♪
真琴 「プッ」
未早矢 「しーっ」
吹いた真琴に小声で注意する未早矢。だが、こんな訳のわからんことをするティーチャーが、もう誰だが俺にはわかった。
ガチャ
???「やぁ〜まのほとりぃぃぃのぉぉRRR♪みどりにしげぇるぅっぅぅ♪」
そうだ。今校歌を唄いながら入ってきたこの人こそ、俺たちの担任の[坂木 幹彦(27)]だ。・・・やった。マジラッキーだ。幹彦Tなら俺達が指導されることも無かろう。ってか校歌を歌ってるとか大分酔ってやがんな。
一同「・・・良かった・・・」
みんなで勢いよく布団をはいで、電気をつけた。
幹彦T 「おまぃら〜!こんな夜中で大声で叫ぶとは・・・先生嬉しいぞ♪」
だめだ、狂ってやんの。
未早矢 「ハイハイ!センセ!おつまみあげるからとっとと帰ってください!」
と言いつつ、豪の鞄からイカの燻製をとりだした。
幹彦T 「おおおお!流石は新田だ!わかってるじゃないか♪」
豪 「先生!それ俺のです!!!」
幹彦T 「じゃぁなおまえらっ!よいお年をwww」
豪 「だから先生!それお」
バタン!!
つまみがほしかっただけ!?
未来矢 「ハハハッ!今は5月なのにねー」
晴 「酔っ払いすぎでしょ〜」
豪 「ああ、俺が野球の次に大切にしていたものが・・・」
俺 「豪・・・わけわからんけど元気出せよ。」
未早矢 「続きやろ〜!・・・といきたいところだけど、今度別の先生が来たら本当にヤバいね。」晴 「どうしよっか?」
そんなこんなで、また布団の中にもぐりこみ電気を消して、今度はみんなで語ることにした。




