7. 男女二人屋根の下
な、長さが短い…でもこうしないと区切りが悪い…
男女二人屋根の下。
何だか桃色の妄想をしてしまう。しかもそれが美少女と2人きり。なんて○○ゲーと叫びたくもなる
実際はそんなに甘酸っぱくもないかもしれない。
叔母、小枝子の策略(?)により二人で同居することになってしまった。
「あっ、」
脱衣所でばったり……なんてあったりなかったり。
昨夜、自分の家の役割分担について話し合ったりした。
買い出しとかいろいろ話し合ったけど決まらずに風呂に入って就寝。
朝起きてから窓を開けて靴を履いているとふと思い出した。
「今日から別の家に住んでんだった」
と、思いながらも2階の窓から飛び降りて着地し、ここら辺はどこのあたりか知るためにもランニングをいつもより長くした。
走っていたところ、商店街を挟んだまるで逆方向だということが分かった。ある意味近くて助かった。それでも元の家から駅2つ分学校に近くなっているけど。
日課の20キロランニングが終わり、壁をよじ登り部屋に入り、制服を持って風呂場に向かった。
風呂場の扉を開けると、
「あっ、」
すらりとした綺麗な四肢、体つきはモデル体型で一目見ただけでそう思えるほど完璧で、水にぬれた艶のある柔らかそうな髪が体に張り付き、体を伝うしずくが色っぽさを加速させていた。
もっとも彼女が持っているのは下の重要な部分だけ奇跡的に見えないようになっているバスタオルのみ。
つまり発育の良い胸はばっちり見えてしまっているのである。
思い切り見てしまっていると、顔をだんだんと仮装芸大会のあの得点のように足元から顔まで赤くなっていく。
「き、」
「き?」
反射的に聞き直してしまうがこれは間違いのようだった。
「きゃぁぁぁぁ!?」
綺麗なフォームで右ストレートを鳩尾に食らった。
当然のように意識は途切れた。
「本当に申し訳ございませんでした」
俺は要の前で日本の最上級の謝り方だと思われる土下座をしていた。
さすがに切腹はまだ自分の命、もといさっきの記憶が勿体ないので死ねない。
「……ケーキで構わない。美味しいケーキで」
「ありがとうございます。要様」
ふと顔を上げると、
椅子の上で足を組んで座っていた要のスカートの中が見えた。
ちなみに先ほど制服に着替えたようでやはり綺麗である。
…白のレース。イメージと言えばイメージどうり。
でもそこのところはしっかりとポーカーフェイス。
そこであえて言わないのが紳士だと思う。
「一昨日作ったケーキはあるんだが」
「種類は?」
「イチゴのショートとチーズケーキ。小枝子叔母さんに持って行ったあまりだけど」
「転向してきた日に持って来たケーキ?」
「そう」
「ください!」
あまりの食いつきように後退した。
曰く、小枝子さん以上にケーキとかクッキーが好きだそうだ。
ケーキは特にチーズケーキが好きなんだそうだ。
朝飯(要が作った)後のデザートに上の冷蔵庫からケーキを取り出し要に与えると目を輝かせテーブルマナーに沿って食べていく。
あっという間に食べ終わり(4号の半分ぐらいのサイズはあった)お茶を飲んだりして時間をつぶした。ちなみにかなり好評で作った身としては嬉しかった。それに対して一昨日のケーキなのでちょっと危ないんじゃないかと思うものを出してしまって罪悪感もあった。
…今度ティラミス作ろう。
ふとそんなことを思った。
口調が変わるのはテンションとかその他もろもろと言うことに。