3.脱引きこもりの日
4月7日、私立鴻学園高等部。中高一貫学校で私立で叔母、小枝子さんが理事長の高校である。
休学――もとい、引きこもり生活に別れを告げ、高校2年と言う微妙な時期から自身の青春が再始動した。
兄さんには泣きながら喜ばれたが。そして何故か髪型はちゃんとしたところでしないと、と言われ。美容院で髪を整えたり、頭がよく見えるように伊達メガネを装着。少し地味な少年の出来上がりである。
学校のどの組になっているか……は気にせず、理事長室へ向かった。
「おはよう、小枝子叔母さん」
高級そうなソファーの正面にいる叔母、鴻小枝子に声をかける。
「いやー凛久くん、引きこもり脱出おめでとう!晴れてキミも私の学校の生徒だ」
「ありがとうございます、勉強面も自宅で頑張ったので中間具内には入れると思います、温かい目で見守っといてください」
「うんうん、それでこそ凛久くんだ。それと可愛い可愛い甥っ子に一ついいことを言おう」
「なんですか?」
「私の義理の娘がこの学校にいるから困ったかとがあったら頼ってくれまたえ」
………脳内フリーズ、容量の重さは6.4GB、回復まで後1時間と34秒の時間がかかります。
「ああ、と言っても孤児院から引き取った子なんだ。鴻要というんだ。贔屓目なしに結構可愛いからガンガン狙うと良い」
「って、なんで俺に言うんですか!1年ほど引きこもっていた少年に言う言葉ではありませんし、そういう方向に行くんですか!」
「いや、休学中にもかかわらずドラマやテレビに出ている甥何を言っているんだい。まあ、休学とはそのような方向で使うのも1つの手段だろうが」
「…バレてたんですか?両親にはバレなかったんですけど」
「可愛い甥がテレビに出ている時は思わず飲んでいたコーヒーを吹いてしまったよ。要には驚かれたが」
なんだか小枝子叔母さんのその光景が簡単に目に浮かんでしまう。がんばれ、今見たことのない要さんよ。
「多分もう二度としない仕事だったんでいい経験にはなりましたよ」
「そうなのかい?この学校には霧島兄のファンは結構いたと思うんだが」
どこでそんな情報を集めるんだ、と心の中で突っ込みつつ、
「ええ、監督さんがすごかっただけで自分はただ言われたとおりにしただけですよ」
「それがすごいんじゃないか。嗚呼、そろそろ時間だ。明日のテスト頑張ってくれよ、凛久くん」
「はい、理事長」
叔母は気を利かせてくれて俺は『転入生』扱いである。
正直言って叔母の脛を齧っているので休学だと上手い具合に溶け込めないと思う。
本当にありがたいと思う。今度ケーキを持っていこう。叔母さんケーキ好きだから。
理事長室から職員室に向かい、教室へ行く。
「天城凛久です。よろしくお願いします」
教壇の真ん中で自己紹介をし、礼をする。
「転入生に何か質問はあるか」
見た目がだるそうな先生、紫藤先生だ。
保険医の先生と担任をかけ持っている状態なので常に白衣だ。
曰く、テキトー人間。
「はい、はーい。趣味は!」
「早朝のランニングと料理です」
これは毎日続けているので趣味に入るだろう。
「んじゃ、得意料理は!」
「主にお菓子とかを作るのが好きなのでケーキとかですかね?」
お菓子は基本的に良いか、悪いかが分かりやすいので作るのが楽しい。
昨日はクッキーを作った。レアチーズケーキを作った。作るときの材料費がちょっとお財布には痛かった。
「あーまだ聞きたいことはあるだろう、昼休みにでも聞けそんじゃ天城あそこの開いてる席に座れ」
ホームルームの終了と共に多くの人がこちらに詰め寄ったのは言うまでもない。