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1. 引きこもり歴1年

 引きこもり歴一年それが僕の引きこもり歴だ。

 現在春。部屋の中は23度と言う不快指数には当てはまらない絶妙な温度を保ている。

 現在高校2年、緩すぎる私立高校に進学した俺は休学扱いで進学しつつも引きこもっていた。親戚のおばが私立の理事長だったというのもあるだろう。

 昔っからこの家の次男の俺は叔母によく可愛がられてた。叔母には子供がいなかった。それもあるだろう。兄は5つほど年が離れていていつも成績は1番だった、それと対照に俺は根っからのダメ人間だった。運動とかの成績はびりではなかったが後ろから数えて2,3番目。そんな俺に叔母は保護欲が沸いたらしい。

 そんな俺は中3の2月、私立に受かった俺は浮かれていてクラスのマドンナの挨拶を無視した、と言う名目でいじめを受け、それを一週間ほど我慢したのだが耐え切れず、不登校。引きこもりになった。ちなみに見た目も気に入らなかったという。髪は長く、鼻先まで隠れているような見た目のいけ好かない気持ち悪いやつと言うのもあったらしい。

 そんな俺に両親は何度も説得するが次第にあきれ、特に何も言うことはなく気ままに引きこもりをさせてくれた。元からそんなに親から好かれてないというのもあったのだろう。

 現在22歳の兄はエリート街道まっしぐらで現在社長。その経営してるのはどこで転んだのかわからないが芸能事務所。まだ1年ほどしかたっていないのだが多くの人気芸能人やアイドルを出している。

 そんな兄は僕に少しでも外に出そうと何度もコンサートなどのチケットをくれた。

 けど断った。






 トレーニングの邪魔だったから。


 引きこもりになってすぐに僕はあいつらを見返そうと努力をした。

 両親が僕の部屋の前で何か言ってても、ダンベルを持ち上げてるか腕立て伏せ、腹筋など筋トレをやっていたから。

 兄がドアに下の隙間からチケットを入れて色々と言って来るがシャドーボクシングとかしてた。

 早朝、4時ぐらいに自分の部屋の窓から飛び降りて毎日20キロぐらいランニングしてた。

 昼ごろは勉強を頑張った。

 パソコンの履歴を見ても何かしら問題の解き方、料理について等しかないだろう。

 引きこもり当初は155㎝の小さい身長だったが今はもうだいぶ伸びた。

 服は取りあえず兄貴のお下がりのジャージ。

 親がいない間に自分で料理とか作って食べてた。

 とにかく頑張った。

 エアコンの効いた部屋で今も勉強をしていた。

 勉強するのに前髪がうざかったので自分で適当に切った。

 そろそろ12時なので、ひっそりとバイトをしてためた金で買った冷蔵庫。小さ目の冷蔵庫だったから自分でなんとか買えた。

 その中から昼飯分の食材を持って下に降りた。

 バランスを考えて…何にしよう。

 時間ないし、なんちゃって豚の生姜焼きでいいだろ。

 調理を終えて自分の部屋で昼食を食べようとしたら、

 『バサッ』ビニール袋の落ちた音がした。

 そっちの方を見ると、

「り、凛久りく…?」

 母親の朱美とばったりとあった。若々しい見た目がとても40代とは思えない母である。

 今までは奇跡的に入れ違いぐらいだったのだが今日はばったり会ってしまった。

 最後に顔を見たのは去年のお盆に爺ちゃんの墓掃除で叔母に強制的に連れ出された時以来か。

「何、母さん今から昼食取りたいんだけど」

 目を点にさせている母。

「それ、どうしたの!?」

「自分で作った。嗚呼、安心して自分でバイトして買った食べ物使ってるから」

 その後母にリビングに強制的に引き戻された。


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