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逃げたくなかったから。

私は友達と話している時も頭のどこかでずっと六音のことだけを考えちゃってるんだ。

今の友達だって、嫌いなわけじゃない。むしろ好きなのに。

何故か、頭の中が六音でいっぱいになって、上手く話が話せない。



え〜と、、六音が部活がオフの日だから、校門で待とうかな。


ユーリ「、、あれ?六音!お久〜」

六音「ん?ユーリ、おひさ。今から帰るとこ?」

ユーリ「そうそう、帰ろうとしてたらさ、たまたま六音がいたから。」

六音「そっか!ラッキーだね。」

ユーリ「六音、今日さ。クラスの男子に告白されたんだ。」

六音「え、ほんと?!ユーリ、受けたの?」


「、、、、、」


ユーリ「断ったよ。」

六音「え、どうして?」

ユーリ「なんか、、、好みじゃなかったから。」

六音「、、じゃあ、しょうがないね!」


六音は軽く笑う。

私はいつの間にか下げていた頭を上げ六音を見る。

そこにはただ笑っている六音がいた。




六音は私のことをどう思っているんだろう。

私は私の中でこんな素朴な疑問が出たことに少しびっくりしたが

「私は六音のことをどう思ってるんだろう。」


私は真剣に考えてしまった。


私は今日、なぜか、六音に嘘をついた。

「告白を断ったっていう、嘘を。」

重要な話でも、ないのにね。



高校2年生、私は六音と一緒のクラスになることができた。


結果、私は授業中や休み時間など、学校にいる時間のほぼ全て、六音のことを見つめて、考えてしまっていた。

正直、他の事がどうでもいいって思っちゃうくらい、六音のことで私の頭はいっぱいだったし、考えることが幸せだった。



ある日、放課後にアテルっていう男が、私に告ってきた。

別にそれだけなら問題ないんだけどね、断ればいいだけだし。


ところで、この男は六音が最も目で追っていた異性だ。

つまり、六音が好きな男の子である可能性が高い。

私は日々、六音には幸せになって欲しいって願っているから、好きな男ができるっていう話自体は、、、まぁ、、うん、苦にはならないはず。


けど、私はこの男が嫌いだ。前に私に対して「君って好きな人とかいる?」とか聞いてきたし、表情がいつも無表情で薄気味悪い。



アテル「僕は君のことが好きだ。」

その表情は告白しているとは思えないほど無表情で、どーでも良さそうな目だった。


六音「そっか。」

私は対抗するように、無表情で言った。


アテル「前々から思ってたんだけどさ、君ってさ、好きな人いるの?」

六音「、、いないよ。」


アテル「・・・・君さ、空紀 六音さんのこと、好きなの?」


「、、、」


その名前が出た瞬間、私の耳はやけに赤く染まっていた。

私は六音のことが好きなのかどうか、という問題から逃げてきた。


ユーリ「、、、、私は今、文化祭の準備をしている、今は時間がない。」

アテル「そうか、。」


だから、

ユーリ「準備が終わったあと、2人で話そうよ。」


私は逃げたくないんだ。



そうして、私とアテルの夜の密会が始まった。


アテル「君は世界が平和になって欲しいって思う人とか、誰も病気で亡くなって欲しくないって願う人ってどう思う?」

アテルはユーリに質問を投げかける。


ユーリ「、、頭おかしいんじゃない?って思うよ。」

ユーリの言葉は本心からのものだった。


アテル「そっか。」


アテル「さっきの話の続きなんだけどさ、君は六音さんのことが好きなのかい?」


認めたくなかった。

だってそれってオカシイって自分で思ってるから。


女の子が女の子のことを好きになるんだよ。

それってやっぱり変だし、恥ずかしいし、六音に受け入れられることがないって思っちゃう。

だから、認めたくない。

認めたら、私自身の欠点を認めちゃうことになるから。


クラスメイトにバレたら笑われちゃう。また、孤立しちゃうかもしれない。

今の私は多分、、もう、あの孤立には耐えられない。


、、、そして何より、六音に拒絶されることがどうしても、怖いんだ。



ユーリ「・・・・好きだよ。」


目を瞑りながら言った。

怖かった。

人に打ち明けることが最前の選択だなんて思ってもいなかった。

でも、逃げたくなかった。


アテル「あのさ、六音さんが君にじろじろ見られて困ってたよ。」

ユーリ「え?」


アテル『ほんと、キモイからやめな?正直、同性愛者とか虫唾が走るから。多分六音さんもそう思ってるよ。』



キーーーン。。。


耳鳴りが聞こえ終わると同時に、吐き気が襲ってきた。


、、、


私から出てくる感情はどうしようもない、絶望感。


ユーリ「すいません、ちょっと、、、お手洗い行ってきます。」

アテル「いってらっしゃい。」


「う、、、ヴォエェェ!!、、はぁはぁはぁはぁ。」


ドサッ。


私はトイレの床に倒れ込んだ。

私の視界はうねり、世界が揺れてるような酔いが全身を襲う。




別に、元々、ひとりだったし。


たとえ、誰が、どいつが、どう思っても。


何も、、、問題は、、ない。



なのにどうして?、、涙がでちゃうんだろう。




『・・・私は六音のことが好きなんだ。』


少女は涙を流す、暗闇の中、一つだけ灯りのついたトイレの個室の中で。


3話ー逃げたくなかったから。ー


アテル君は嫌いですか?

自分は嫌いですね。

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