大国潜入作戦
コンコンコン
「失礼します。」
ギードンっ
「お、どうしたのかな?こんな時間に。…ん?」
「あ!おじいさん!」
「おい、サンダーランド、おじいさんとは何だ。この方はこのオーガニゼーションの団長、アルフレト・キャラスフェインガーさんだぞ!」
「いや、いいんだよスキャロップス。すまんな。ちょっと前に会ったことがあるもんでね。」
「そう、そうなんだよ!アルフレトさんって言うんですね。よろしくお願いします!」
俺がこのゲームに入ってから初めて出会った人物、あの老人がこのオーガニゼーションの団長だったのだ。管理人というバッチをつけていたから管理人の仕事をやっているだけかと思っていたが、どうやらそうでもないようだ。
「というか、サンダーランドくん。あなたはログアウトをするのが目的だったはずでは?」
「いや、今は変わったんです。」
「…そうですか。ところで、2人の後ろに立っている綺麗な冠を被った少年は誰ですか?」
「ふふんっ。」
さっきまで恥ずかしがっていたはずだったそいつが、急に堂々とした雰囲気で俺たちの前に立ち、喋り出した。
「あなたにはこの王冠が綺麗に見えるんですか。わかってますねぇー、よくおもちゃのようだとか言う人もいるんですけどね!」
「私はそうは思いませんよ?」
「僕の王冠は父の王冠と違ってやけにからから言うんですよ。だからおもちゃだって言われるんです…。」
「私は耳が遠くてね、まったく聞こえないよ。」
「あの、本題いいですか?」
「スキャロップスくん。その必要はない。」
「ど、いうことですか?」
「君も同じことをやっていただろう?距離が違かっただけだ。耳は遠いけど、君たちの会話はしっかり聞いてたよ」
「え、どうやって、?」
「私のスキルだよ。任意のタイミングで発動できるタイプのね。」
「そういうことかぁ!なるほどー」
「サンダーランドは敬語を使えっ…!」
「ぼくは、父の国を守りたいんです。相手が誰だろうと。」
「私も調べてみた。どうやら反乱軍がいるようだ。反乱軍の名前は大国侵攻軍。何人いるかまではわからなかったが、1万人は裕に超えているだろう。」
「そん、な…」
「そこで、我々だ。団員が戦争を止める。」
「でも…死にますよ?死んじゃうかもしれないんですよ!」
「大丈夫だよ。あいにくここは、そんなに弱い団員が揃っているわけじゃないんだ。」
「…いいんですか?」
「大丈夫だよ、な?スキャロップス!」
「うん、大丈夫。」
「それでは、私が人を集めておこう、明日の朝、全員で大国へ侵入する」
「はい!」
◆
「スキャロップスだ。奥の方まで聞こえているか?」
「聞こえてます」
侵入作戦決行日、教会で作戦に参加してくれるプレイヤーを待っているとあっという間に教会は人だらけでギチギチになった。
俺たちは最初に草薙剣についての説明と大国侵入作戦の説明を行った。
「と、説明は終わりだ。まもなく一斉にワープを行う。健闘を祈る。」
スキャロップスによる一連の説明が終わると教会がざわつき始めた。
俺もそれに続くようにあることについてスキャロップスに話すことにした。俺はずっとあることを気にかけていた。
「なあ、スキャロップス。トニーがいなくないか?」
「そう言えばそうだな。確かにいないように見えるが…」
(なにか、あったのかな。)
「スキャロップス、なんかサンダーランドがどっか行ったよ」
「は!?え、お、おい!」
この作戦の参加は強制ではない。でも、トニーがいないのは…変だ。
たたたたたたっ
「レンドラピオ!レンドラピオ!もっと早く動けよ足!」
ドンっ
「えっ、は?トニー……」
「かああああああっかああああああっ」
「いびきしてねえで早くこいやああああああああああああ!!」
「スキャロップス、強制ワープの時間まであと20秒だよ?ここ離れたらダメなんだよね?」
「くっそ…やべえぞ」
「さ、作戦ってなに!?何も準備してないんだけど…」
「とにかく杖だけ待てっ、急げ!」
「あーもうはいはい、わかったよ」
「よし、レンドラピオ!」
「あ、おい、いてえって!袖持つなよ!てかパジャマなんだけど、」
「強制ワープ…後少し…」
「うおおおっ!」
きゅーっ、
「曲がり角危ねえ!」
「よし!間に合ったあああああ!」
ドンっ
「ワープ!」
バシャン
「はあ…疲れたぁ」
「うえ、気持ち悪りぃ酔ったわ」
バサーッ
「トニー見ろよ、海の中を移動してるよ!」
「ちょうどいいや、吐こ…」
「ば、ばかっ、お前ここで吐いたらダメだって!」
「スキャロップス、生きてくれよ。」
「お前もな…てかお前名前は?」
「龍雄。僕の国伝説の将軍と同じ名前だ。」




