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迷子

「う...う。」


まだ目の前がぼやけているが、感覚は確かにあった。


「君!君!大丈夫かい?」


肩を優しくトントンされているような感覚。


「あっ...えっと、」


目のぼやけが段々と取れてくると、目の前の光景に激しく困惑して、驚くような声も出なかった


目の前に広がっていた光景は、まさに絶景そのもの。今まで見たことのなかった高いビルや高いタワー。世界を知らない俺にとっては、全てがビックに見えたものである


「ほら、早くあのビルに入りましょう、ロビーで一旦落ち着きませんか?」


「は、はい。お願いします」


そうやって俺を丁寧に案内してくれたのは、管理人と書かれたバッチをつけた老人だった


目の前にあったビルに入るとそこには綺麗なロビーが広がっていた


「掃除大変そうだなぁ...」


「はて?掃除?」


「気にしないでください!」


「それじゃあ。まずは座って、話をしましょう」


「私は、このゲームの運営を任されているものだ。なんでも案内しましょう」


「早速聞きたいんですが、なぜあんな場所で眠っていたんですか?」


「ワタクシは、」


「ワタクシとは...珍しいですね。貴方はどこからどう見ても若い男の人です。ですから、もし敬語として使っているのであれば、必要ないですよ」


「言い間違いです!聞いてください!俺は気付いたらあの場所で眠ってたんですよ!ていうか、さっきゲームって言いました?言いましたよね!」


「ああ、ゲームですよ。まさか、このゲームを知らないと言うんですか?だとしたら、またもやかなり珍しいですよ」


「知らないです。だから怖いんですよ!それに、一刻も早く家に戻らないといけないことがあるんです!」


「それは気の毒ですね。ならば、最短ルートを確認しましょう。」


「このゲームからログアウトすればいいのです!そうすれば、このゲームでのプレイは終了しますよ!」


「わかった!今すぐやる!」


「しかし、それがですね。このゲームの中にある、ユーザー情報管理所という場所に行かなければログアウトは出来ないシステムで。」


「そんなことある!?まじ!!!?」


「そう、いうことです。」


「しかし、焦るには早いです!ワープを使えば一瞬ですよ!」


「ワープ。まさか、」


「ええ、貴方がこの世界に入ってきたときもワープで入ってきたと思います。それと同じです」


「なら、どうしたらワープができる?」


「方法は色々あるんですが...」


コンッ


その時、足元で何かが跳ねる音がした


綺麗な玉。ビー玉?


「あっ!これ!」


つい、思い出せたのが嬉しくて声が大きくなってしまった


「それです!それそれ!ワープに必要な道具です!」


「他にも、色々やり方はありますが、今はとにかくそれでワープしてください!」


「えっ、はい!」


考え事をしていたから、話された事は全て耳から出ていった───────この時俺が考えていた事は、ある違和感だ。俺が今、手に持っているものは綺麗な黒い玉。この玉は現実世界でも一度落としている。だが、確か現実世界ではこの玉が2つはあった気がする。今は何故か1つしか存在していない


「私はそろそろ仕事なので行きます。もしかしたらもう会えないかもしれませんね。それでは。」


老人は、そう言って自動ドアの前に立った。だが自動ドアがあまりにもゆっくり開くことにより、もどかしくなったのか、ドアが開くよりも先にドアの外に立ち、移動を始めた


「なんだあれ。どうなってんだよ。」


「とにかく、早く出ないと!」


「よし!ワープ!」


まるで自分が流れ星になったかのような爽快感。周りに駆け抜ける星たちが徐々に加速していった。


「あー、早く戻らないと。バレる前に!バレたらサボったってことになって説教は1時間コースにまでになりそうだ!」


「うあああああ!」


避けることなんて到底無理なスピードで俺の目の前に飛んできたそれは、今まで周りを駆け抜けていた星と同じようなものだった。


「う、あ。うう。」


また目の前がぼやける...


そういえば。あの録音機器、頭注意とか言ってたような。


あれ?じゃあ来る時はちゃんと頭守れてたのかな

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