転生成功 -異世界の光景-
前世の記憶を取り戻してみて、折角なので差異を探してみることにした。
まずは夜空が妙に明るい。昼間に比べればもちろん暗いのだが、本を読むことに支障がないほどに明るい。
でっかい月が一つあることは差がない。
こちらの親に百科事典を買ってもらったので、ひたすら読み込んだ。幸い前世と同じく、好奇心こそ我が人生というタイプだったので、周囲にも親にも何の違和感も持たれることはなかった。
色々調べていくと、こちらの太陽系は、楕円銀河に属しているようだ。道理で、夜空が明るいわけである。
人類の進化過程とかも地球と一緒。祖先に類人猿のようなものもいるし、プレートテクトニクスも動いている。ただまあ当然大陸の配置とかは全然違うし、似たような食い物もあるけど産地とかは異なるけど。
人類の性かドンパチやってるところはあるし、国も複数に分かれているけど、転生出来た国はおおむね平和で科学技術の発展度から見て、昭和年代後半に見える。ある程度発展した世界のほうが落ち着くので、これは幸いだった。
現世地球と前世地球を比べると惑星としてのサイズも近く、中心恒星の大きさ、中心恒星までの距離なども偶然か必然か似たようなもので、あまり、異世界感はない。
獣人、亜人等もいないし、進化のことを考えれば、そもそもいるはずがないのは当然である。