転生成功?
数年が過ぎた。
特に何も思うこともなく成長していた。
ある日唐突に「親を超えるは子の使命」という発想が浮かんだ。
うむ道理。と思ったものだが、親を観察しても越えがたい壁とは余り感じない。
「我らが父なる神よ」とか言っている宗教団体があった。
神が父なら人間は子。つまりは人間は神を越えねばならない。という発想に至った。
神を超えるというと不遜とか言い出す連中が居そうだったので言わないことにして神を超えるにはどうすれはいいか思索にふけることにした。
神は全知全能という。つまりは何でもできて何でも知っているということだがそれだと矛盾が出る。
全というのはそれだけで矛盾を孕むのだ。
性別について考えよう男性であり、女性であり、両性具有であり、無性であるというのが全ての性を持つということになり、明らかに矛盾となる。全知についても同じことが言える、神が神ゆえに知りえぬことを知ることができない。
なんてことをグジグジ、考えていたからだろうか。ある日突然神の座っぽいところに紛れ込むことができた。なんかここに置いといたものがあった気がするなとなぜそう思ったのかよくわからないが、あれが半身だと思う塊があったので、取り込んでみた。
すると前世の記憶らしきものが流れ込んでくるではないか。
よし、転生に成功していたとこの時ようやく理解したのだった。