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僕はおならで無双する  作者: 温泉卵


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竜骸VS不良軍団

『パリータ! 高度を落とすな!! 賊どもは奇妙な魔法を使う。火矢は全て避けろ。中級魔法並みの威力があると疑え』

 

『それでは賊どもの思う壺ではありませんか』

 

『我々二人で奴らの目を引き付ける。エリザは隙を見て害獣どもの巣を風上から焼き払え』

 

『人質の娘達はどうするの?』

 

『もう生きてはいまい。いたとしても死を願う状況だろう。せめて苦しまぬように一瞬で焼き尽くせ。心配ない、彼女達の仇はうつ』

 

 三体の竜骸は巧みに連携し、盗賊達の根城と化した寒村を襲撃する。

 クロスボウから放たれる火矢が空中で爆散し、雷鳴のような爆音が次々に響き渡る。

 

 数日前、盗賊団の討伐に向かった黒の聖騎士団の竜骸は四体のうち二体が中破し、這う這うの体で逃げ帰った。

 後始末を押し付けられたのが彼女達、青の戦乙女達だ。盗賊達に攫われた娘達の救出には適役だというのが理由だが、すでに生きてはいまい。隊長のカッシャは、大事な部下を危険に晒す気は毛頭なかった。

 

「蒼天已に死す!」

 

「王侯将相いずくんぞ種あらんや!」

 

「資本家を粛清せよ!」

 

「奪われた物を奪い返せ!」

 

 盗賊達は奇妙な掛け声を口にしながら、竜骸に怯むことなく夢中で火矢を空に射かける。

 彼らは、与えられた力に酔っていた。火薬という誰にでも使える魔法に。

 

 

『邪教徒どもめ!』

 

 逆落としに舞い降りた竜骸が、巨大な杖を掲げ火球を連射していく。

 盗賊達が慌てて火矢で狙うが、火炎に巻かれ次々に自爆する結果となった。

 

 火薬で武装した村は、驚くほど火に弱かった。風に煽られて村中に火が回ると、盗賊軍はあっけなく瓦解してしまう。

 

『恐ろしく不安定な魔法のようね』

 

『攻撃に特化しているのでしょう』

 

 カッシャは村の中心部に竜骸を着地させる。豪農の屋敷らしい焼け残った建物を巨大な剣で崩していくと、一画に数多くの女性の遺体が放置されていた。

 

『死者を弔う心すらないのか。人間の所業じゃない……』

 

「そのロボ貰ったあ!!」

 

 突然、死角からの急襲。相手がわざわざ叫ばなければ不意をつかれていた。

 両手剣での斬撃を、竜骸の剣で受け止め、そのまま振り切る。生身の人間とは思えない動きだったが、竜骸の力にはかなわずに、どこかに吹き飛んでいった。

 

『大声をあげて奇襲する馬鹿がどこにいる! こいつは囮だ! 周囲を警戒しろ!』

 

『助けてお姉! 変なのきたあ!』

 

 丸腰の男がエルザの竜骸にとりつき、素手で殴りつけている。

 

『中級の火魔法で焼く。エルザ、耐えろよ』

 

 味方もろとも炎の壁で閉じ込める。竜骸は高い魔法耐性があるが、生身の人間であれば骨すら残るまい。

 

『急速離陸! 上空へ退避する』

 

 想定外の事態に、カッシャは退却を選択する。

 

『酷いじゃないパリータ! 燃やされるのは怖いんだからあ』

 

『落ち着けエルザ。敵兵はどうなった?』

 

『普通なら焼け死ぬ筈だけど。あいつ、逃げたかもね』

 

『一応お役目は果たした。撤退する』

 

 

 帰還後、エルザの竜骸に残された拳の痕が思っていた以上に深刻だったことが判明する。

 

 正体不明の怪人の存在、そして謎の魔法。

 竜骸を持たぬ国々にはそれらに抗う術はなく、雨後の筍のように出現する盗賊団によって滅ぼされていくのである。

 

 大賢者センコーが率いる史上最大規模の盗賊反乱が始まった。一方で生き残りたい国々は、先を争って竜骸軍団を擁する神の国の属国となっていくのだった。

 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 盗賊団の連中、黄色い布巻いてそう
[良い点] 竜骸教団vs不良軍団。世界は二極化するッ! うわー…。本当にいらんことを!本気の革命勢力じゃないですか。 [一言] 二極化すると重要なのは第三極と物語では相場は決まってますよね。やっぱり島…
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