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剣の精の物語  作者: 如月衣都花
3/3

セレスティアー3

 彼の名前は、アルベリヒという。

 黒に近い茶の髪と漆黒の瞳を持つ背の高いすらりとした青年だった。

 彼から紡がれた名前を手にしたときから、私の中で何かが変わる。

 朧から現へ縁が結ばれる。

 ああ!嬉しや。

 朽ちていくだけの身に意味がもたらされた。

 何と言う歓喜か。



 セレスティアーーそれが私に与えられた名前だった。

 人間(ひと)と私たちの理は違う。

 ただ徒に長くこの世にとどまれば姿を纏うことが出来るとは限らず、『時・魔力の満ちる夜・顕現した時に名前を与え』られなければただの古びた剣でしかない。

 

 「手入れの要らない剣か」

 「はい、貴方様が生きている限り刃こぼれもしません」

 私は貴方だけの剣。

 「その代わり、対価を貴方様からいただくことになりますーーー」

 「対価とは?」

 彼の顔が僅かに不快気に歪む。

 (人からすればそのような反応をされるのだな……)

 「大きなものではありません。貴方の中に巡る力を少々いただきます」


 我が力は無限ではない、主を守る分自身の力が減っていく。

 どこかで補わなければならない。

 それが、対価。

 主からの接触が深ければ深い程得られる力は多く、接触する面が多ければ多い程多く取り入れることが出来る。


 アルベリヒは少し考えた後、頷いた。


 それからの彼の活躍はめざましく、瞬く間に団の中で登りつめて行った。

 


 

 

 

 

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