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痩せすぎから太りすぎへの転換

最近、痩せすぎ女性がネットニュースで上がっていたので空想しました。

日本らしきどこかの町、一人の若い女性がいた。

彼女は骨に直接皮膚を張り付けたような細さだ。

ちなみに体重は30kg近くと明らかに色々と無さすぎる。

自分の外見を褒められたことが無く、かなり危険なダイエットをしたようだが、その甲斐なく死にたくなってしまい、橋の上から川へ飛び降りて死…なずに謎のブラックホールによく似た物体へ引きずり込まれた。


抗う間もなく女性は異空間に到着。

気付いたら食卓である。

姿無き声から

「あたら若いのに死を急ぐとは言語道断。故に貴様には罰を受けてもらう」

とアナウンスされる。


女性が「罰とは何か?」と考えているうちに焼きたてのピザ(推定Lサイズ)が1枚、いつの間にか出現。

勿論、食べやすいようにナイフとフォークも。


「どうぞ、召し上がれ」

こんなアナウンスも飛んだ。


夢中で食べる彼女。

「うぉいふぃい!」

どうやらピザの味は絶品のようだ。

後、飲み込んでから喋ろう。


無我夢中で1枚食べきると次の1枚が出てきてそれを頬張る。

100枚目で満腹になり、そのまま寝てしまう。


目が覚めると、彼女の体が大きく変わっていた。

それはつい先ほどまでの痩せぎすが信じられない程の肥満体となっていたからだ。

衣服は辛うじて急所を守っているレベルで布が残っている状態までに飛び散っていた。

食卓は寝ている間に撤去されていたらしく、入れ替わりで姿見用の鏡が置かれており、それに目が行ってしまっていた。


「何よこれええええええ!」

女性の絶叫がどことも言えぬ空間にて響いた。

しかし誰が聞き届けているのか怪しい。

絶叫が終わった直後にアナウンスが来た。


「お目覚めかな?その身体こそが貴女への罰だ」

これに続き

「貴様らの世界、ひっそりと見届けさせてもらった。食べられるものがあるにも関わらず、食べぬという人間が女だと妙に多いので実験台として捕獲させてもらった」

とアナウンスされた。

「実験ってこれからどうするつもり!?」

知らぬ間に被験者にされては、こう返さざるを得ない。


「まずは体重を測る」

床に体重計が組み込まれているらしい。

「500kg…丁度1トンの半分と言ったところか」

驚愕の数値。


「そしてそのまま見世物になるがいい!」

そうアナウンスされると残りの布は黒いビキニへと変化していった。

何気にぴったりフィットしている。


すると今度は彼女は部屋から人気のないビーチへワープさせられた。

何者かのプライベートビーチだろうか?

そこで彼女は人々から撮影のフラッシュを浴びた。


「いいね!」

「セクシー!」

「肉塊最高!」


と褒められまくった。

褒められたくてダイエットしたというのに意外な反応だったので困惑してしまった。

「太い女性が褒められる世界だなんて…」

と嘆く。

太った現場である部屋へワープし直すと

「どうだ、”こちら側”の世界へ来てみないか?」

と誘われた。

彼女は当然この話に乗った。


転移先の世界は元の世界とよく似たパラレルワールドというものだった。

好まれる女性の体型を除いて違いは殆どない。


その世界で彼女はグラビアアイドルとしてデビューし、注目を集めることとなった。

肥満体故に愛されるので摂取カロリーや食事量は大幅に増えた。


「もっと太れ!」という声も強いが、この先の彼女がどうなるかは誰も知らない。


ただ、これだけは言えるようだ。


「あたし、太ってよかった!」



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