それぞれの真実
内容のことで少し、考えていたことがあったので遅れました。は、許されない更新ですがまぁ、息抜きってことですいやせん。見てください
お金を持たせないと言うのは家庭内でのお父さんおこづかい制度みたいな感じではないのだ。別に俺らは幼馴染みといった枠組みのなかで動いているだけでもっと他にいい人が見つかったら…見つかったらどっか行っちゃうんだろうな。だって、シャーネの魔法強そうだったし便利そうだったからなぁ。
例えるなら今の状況は飲食店で働いている見習いの状態なのだ。お金がなく、知識もないからそこで働いているだけであって色々仕組みがわかってきたら一人立ちをするものなのだ。実際のところは知らないから完全な想像なんだけどね。だって、近くにそんなとこなかったんだし…。と、そんな感じである程度分かってきたら剣しか使えない無能と組むよりも他の偉大な魔法使いと一緒に大冒険でもしたらいいさ。んで、虚悪の根元的な悪のドラゴンを倒したり、金銀財宝を難関のダンジョン最新部で見つけて一喜一憂したり、そんでもっておとぎ話に出てくる魔王とかを倒して勇者になって帰ってくるところまで想像できた。
「よし、勇者のお供として生きていくか」
そんな簡単に割りきれるわけがなく「友達と一緒にご飯を食べる約束をしているんだった!」と、叫んで出ていったため一人寂しくテーブルに倒れ混みながらチビチビと牛乳を飲んでいく。お酒はもっと渋い大人になってカッコつけて飲むべきだと昨晩ドキドキしながら飲んだお酒の味を思い出しながらもう一度、次は勢いをつけて飲み干す。
「うっ…ゲホッ…ちくしょう…」
心に空いた空しさとカッコつけてのんだ牛乳の恥ずかしさが入り交じってゆっくりと席をたつ。その足は一切、アルコールをとってないはずなのにふらついているように見えた。
「確かシャーネちゃんだっけ? ゴメンね、僕名前覚えるの苦手でさ」
「それでよくリーダーをやろうと思ったよな…いや、マジで」
スラりとした高身長イケメンがリーダーのメイル。それに突っ込んでいるのが同じくらいの身長、かつ目が刃物みたいに切れているヤンチャ系男子の代表とも言える男がアンジュ。それが今のシャーネのパーティーメンバーなのだ。総勢三人と少ないような気もするがメイルの職業は結界士とその名の通り半透明の結界を作れる召喚士、とまでは行かないが結構な確率でしかなれない職業の持ち主なのだ。そしてアンジュの職業は砲術士と自身の魔力に形を与えて相手に打ち出す職業だ。これはわりかし結構な確率で遭遇できるが扱うのには腕が必要らしい。
と、ここまで相手の情報を整理しながら会話に適当な相づちを打っていたのだがシャーネと別の人とパーティーを組んだのには理由があった。
それは「お金」だった。
正直今の状況でもお金は稼げるし、今日と言う日は生きていけるのかもしれないでも、
「(それじゃあ、幸せな時間がないじゃない)」
幸せな時間とは作るものではなく、見つけるものだとは頭では理解しているし、その言葉通り、初めて依頼を受けて冒険に出掛けたときのミーアのウキウキした表情。あのクソビッチには少し、危機感を覚えたけど今となってはミーアと距離を縮めるいい切っ掛けになったと感じている。本音を言うとミーアには他の女とはしゃべってほしくないんだけども束縛する女は男は苦手ってのを聞いたことがあるし、そこは自分のなかで折り合いをつけて我慢をするって決めた。でも、一番近い場所にいるのは私なのだ。
糞ほど役にもたたない顔しか取り柄のない男の言葉を右へ左へと流しながら少し離れた場所に生息するドラゴンの討伐へと向かう。ここで色々な経験を積んで何気ない雰囲気でミーアをサポートし「あれ? 俺って結構いい線いってるんじゃね?」と、いった感じに気分をいい感じに乗らせ最後の最後にどん底に落として「俺、シャーネがいないと無理なんだ…」と、言わせ幸せな家庭を作るのが目標なのだ。
「(…ん。ちょっと考えただけでも濡れてきちゃった…)」
どうしようもない変態なのだが一途に思ってくれる女の子って魅力あるよね? そんな内容をどこかで聞いたことがあるの。ミーアのためならどんなドラゴンだって化け物だっておとぎ話に出てくる魔王だって地面に這いつくばらせて私たちの劇の登場人物にしてやるわ。その為にも魔法をもっとうまく使えるように特訓して、強くなってミーアの影で最大限のサポートを出来るようにならなくちゃ!
そんな事とは一切知らないミーアは一人寂しく寝床に戻って毛布にくるまって泣いていた。
「自信満々なイケメンがモテるって…沢山友達が出来るって…剣の腕がよかったら将来安定だって…冒険者は夢があるって…。全部嘘じゃん。うぅ…全部嘘じゃねぇかよ…」