HOSPITALの出来事。
僕は、生まれつき体が弱いからずっとずっと病院の中で育ってきた。
この病院では、何でもあるんだよ。
コンビニ、美容室、喫茶店、小さなスーパーや学校もある。
だいたいのモノは、病院の中にあった。
僕はここに居て、何不自由に思った事はない!!!
僕の主治医の先生も、看護婦さんも、お友達もいっぱいいるからね!
僕の名前は 『井岡 学人』 13歳、ずっと病院の中にいるよ。
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でも、、、悲しいこともたくさんあったよ。
僕と同じ病室の子達が、、、何人か亡くなった。
まだ、、、僕より小さい子もいたのに......。
僕が一番初めに、、、お友達になった男の子は...。
...僕より2つ上のお兄ちゃんだった。
昨日まで、元気に走り回って僕と遊んだり、お話していたのに......。
夜中に、発作を起こして、、、沢山の病院の先生や看護婦さんが必死に
なって、助けたんだけど......。
...お兄ちゃんは、もう二度と目を開けることはなかった。
みんなお兄ちゃんの為に、泣いていた。
まだ、僕が3歳の時のことで、お母さんに僕が聞いたらしい...。
僕は覚えてないのだけど......。
お母さんが言うには、、、。
『どうしたの? 何が起きたの? どうしてお兄ちゃん、、、目を開けないの?
まだ、眠ってるの? 早く起こさないと、みんな心配しているよ~!』
『そうね...でも、今日は寝かせてあげましょ~!』
『どうして?』
『...どうしてもよ!』
『わかったよ』
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...その日から、お兄ちゃんを見る事はなくなった。
ベットも綺麗になった。
数日後、、、新しい子がそのベットを使うことになった。
僕は、なにがなんだか? お兄ちゃんは何処に行ったんだろう?
...その時は、そう思っていた。
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でも、少しずつ僕も大きくなってくると......?
何故、、、? いなくなったのがわかるようになる!
もう、この世に、、、その子はいないんだと、、、!
【亡くなると言う事の意味...】
そして、僕も何時...? そうなるのかわからない事。
僕のお父さんもお母さんも妹も、、、言葉に出して僕に言わないけど...。
きっと、、、思っている事...。
『いつ...? いなくなるかわからない!』 、、、と。
だから、みんな僕を楽しませようと必死だった。
笑わせるために、、、僕のために、、、一生懸命だった。
僕も、涙を堪えて必死に笑った。
たくさん、家族みんなで笑った。
同じ時間を、出来るだけいっぱい居れるようにしてくれた。
...その間にも、何人も僕と同じ病気のお友達は亡くなっていった。
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でも遂に、この日、、、とうとう僕の番が来た!!!
【僕 井岡 学人13歳。】
この日の夜、、、僕は発作を起こして心臓が止まり、そのまま亡くなった。
僕の家族も、主治医の先生も看護婦さんもお友達も僕の最後を看取ってくれた。
僕は幸せだったよ。
短い生涯だったけど、、、精一杯、生きれたと思う。
『...みんなありがとう!』
13歳まで、生きられた事に感謝。
僕の周りの人たちに感謝。
また、、、生まれ変わっても僕でありたい!
最後までお読みいただきありがとうございます。