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2本の尾  作者: ジャニス・ミカ・ビートフェルト
第一部 ”みけ”
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教育とお金

  省吾は妹の高校のことを聞いて少し安心した。

 小さなころは虐められても自分達に内緒にして一人で耐えていた妹だったから心配はしていたからだ。



「 まあ、入学金はタンマリかかるし授業料も凄いですけどね 」


「 そうそう年間80万かかって高校通算で300万はかかるだろ。

  みんなお金持ちの子なのか?うちはキュウキュウなんだけどさぁ… 」


 国立とはいえ大学の授業料は年間65万かかるし琥太郎の学費も馬鹿にならない。

 親父さんが頑張って、俺たちもバイトして…やっとなんだけどと省吾は思う。

 

「 そんなわけないですよ…みんな普通ですって。

  うちはバイトは高校の許可あれば普通にできますから、それで足しにします。

  足りなければ奨学金を学校から借りてって感じですかね 」


「 学校から借りる?って支援団体と自治体から借りれば… 」


( そういや、”みけ”がそんな用紙家に持ってきたなぁ…

 ”死んでも俺が払うから ”って親父さんが笑いながら破ったけど )


「 そうなんですけど、先生が言うんですよ

 ”利息はつくし、返却猶予はあるけどそれが過ぎればサラ金より取り立てキツイから

  高校から借りろって…利子はゼロだし”って 」


「 そこまで言うなら授業料下げてほしいよねぇ…高校無償化って時代なんだし 」


 翔子はそう言いながら不満そうな顔をした。






 そこまで琥太郎と楽し気に話していたジャニスが急に口を出してきた。


「 翔子さん…今のご時世に逆行しますけど、教育は無償ではダメなんですよ 

  それをやってしまったら誰も這い上がろうとしないですからね 」


「 えっと…ジャニスさんって高校の関係者何ですか? 」

 

 省吾は驚き目を丸くした。


「 ”星の海”の女将が理事ですからねぇ…関係者ってわけじゃないですけど

  事情は聴いているんですよね。


  ”教育にお金がかかるってのは、

  お金って大切ですよって事が骨身にしみますし、親の有難味も分かりますし

  アルバイトしてお金稼いで学費の足しに、その上で小遣いも稼ぐのもいいでしょう。

  世間体を気にしてバイトは禁止してませんからね。


  それに、お金はちゃんと教育するならいろいろかかりますし、

  国から補助金ジャバジャバ貰って授業料減らしたら、

  その分馬鹿な文科省の言う事を素直に聞いて望んでる教育に支障をきたしますから”って 」


「 正論ですけど… 」


「 嫌なら頑張って勉強して公立行けばいいでしょ?

  もっとお金があれば大体、塾とか言って勉強して進学校行けばいいでしょ?


  前者は生徒さんの努力、後者は大人の努力って事で可能でしょ?

  でも、

  事情があってどちらも出来なかった人たちが、それを跳ね返して生きていくんですよ!

  高校にいる間にそれに負けないように教育するんですからお金はかかります。

  

  それに、立派な施設でしょあの高校…どうですか? 」


 翔子はその言葉に


「 温水プールあるし、立派な学食もあるし、大きな図書室あるし、

  エアコンは全教室あるし、トイレはシャワー付きの洋式だし… 」


「 送迎のバスも綺麗だし新しいし、専用運転手さんだし 

  畜産課も園芸課も凄い設備だし… 」


 瞳がその後を続ける。


「 で、そんな設備の高校に通ってどうですか? 」


「 気持ちいいし、綺麗だし…家に居たり町で遊んでいるより快適かなぁ 」


 ジャニスさんがそこでニコニコした


「 ね、教育にお金がかかるってそう言う事ですのよ。

  それに、

  貴方たちの高校3年間がいい思い出になるようにって事にもなりますのよ 」


 一同がその言葉に黙り込んだが、ジャニスは気にせず


「 まあ、今はそれよりも”みけ”ちゃんと早苗さんのせっかく作ってくれたご馳走を

  食べるのが先ですけどね 」


 その言葉に、省吾たちはハッとして目の前の食事を見直した。

 話に夢中になっていたので少し冷めてはいるが、おいしそうな匂いにお腹が少し鳴った。




 










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