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2本の尾  作者: ジャニス・ミカ・ビートフェルト
第一部 ”みけ”
34/100

考えてみた?

  コロッケにメンチカツにエビフライ、

 葉野菜にワザと大きめに形を残した卵でタルタルソースを作り

 キャベツわんさか、ミニトマトにペンネも彩に入れてっと。

 出来合いのコーンポタージュに手製のクルトンを作って入れる。

 

 本当ならバゲットかエピの様なパンが似合うけど、無いのでご飯。

日本人だもんこれで十分!

 私は一人ならポタージュにご飯入れちゃうけどね。

 ( 軽く溶かしチーズ入れると美味いんだなこれが…猫なもんで )

 

 ボリュームはあるけど、まあ手抜きだね。

 揚げ物はタネからちゃんと作ったけど2人なら楽勝の仕事量。

  

「 出来た出来た… 」


 軽く手を叩いて、鼻歌交じりに剛ちゃん達を呼びに行こうとする。

 運ぶの手伝ってもらわなきゃ…


「 ねえ、考えてみた? 」


 お姉さんが、急に呼び止めてさっきの答えを聞いて来た。

 ご丁寧に左手の指が私の借りたエプロンに差し込んできたので逃げることが出来ない。


 さっきの答えっていうのは…勿論、剛ちゃんの事をどう思っているのかって事。

 車で聞かれたときには返事できなくて、ちょっと保留にしたんだよね。


「 早くないですか?あれから3時間ぐらいしか経っていませんけど… 」


 生地を買いに付き合っただけなのに、ジャニスさんの提案で夕食会になった…

 というか、ここに着いた時には食材が揃っていて作る段取りになっていた。


 最初はみんなで作っていたけど…

 瞳と木田ちゃんは足手まといだったんで中村さんに二人を任せて課題を。

 剛ちゃんは酔っ払った愛さんの面倒って事になって、

 結局、まともに料理が出来るお姉さんと私が作ることになった。


 ジャニスさんはお兄ちゃんたちのお迎えに出てる。

 お母さんですか?って笑われたけど私がいないと碌なもの食べないから。


 んで、今台所にはお姉さんと二人きりだ。

 


「 好きか嫌いか、興味ないかぐらいは分かるでしょ? 」

 

 そんなの答えじゃん?

 剛ちゃんは好きだけど、この場合の好きってのとは違うんだよね。

 うう、頭が悪いからどう答えていいか分かんない。


「 その中じゃあ、好きって事になりますかねえ…男子って事は意識しませんけど 」


 正直に言うしかなかった。


「 まあ、剛ちゃんはそう言うのは薄いからねェ…

  あの子も”みけ”ちゃんに女の子って求めてるのか微妙だし… 」


「 ? えっと…私って彼にとってどういう立ち位置なんですか? 」


「 難しいのよね…あの子が女の子を好きだって言ったの初めてだし。

  ああ、男が好きって意味じゃないからね…誤解しない様に 」


「 まあ、そんなのは知ってますけど… 」


 目に涙浮かべながら必死に馬鹿な先輩から逃げようとしていたのを見てるから、

 そっちの方面は普通の人だと思います。


「 うんそうねェ… 」


 お姉さんが私の顔をまたじっと見る。


「 単純に可愛いから? あなた目は大きいし鼻も小さくて…猫みたいだからじゃないの?

  あの子、昔から猫が好きだし 」


 いや、その…猫そのものだったんですけど。でも顔なの?


「 お姉さん…猫みたいで可愛いって思ってるだけじゃあ

  私が剛一郎君の事をどう思おうとあまり関係ないじゃないんですかねぇ 」


「 は、馬鹿ねェ…好きになる始まりってそんな些細な事なのよ。

  まあでも、一緒に料理作ってお話してみると剛一郎にはお似合いな感じもするのよ。


  あまり物事を考えて話している感じじゃあないけど控えめで、優しそうだし 」


「 はあ… 」

  

 それって…悪く言えば馬鹿って事ですけど…


「 まあ何にせよ、可愛くて綺麗で性格がいいなら私は大歓迎だし。

  胸やお尻が出てないスリムな感じも妹にするなら私も安心だし… 」


 ちょ…貧相で寸胴な体って事でしょ? 安心って何を安心するの?


 持ち上げては叩き落とすお姉さんに対して、

 私は馬鹿だからどういっていいか分からず、ニヘラニヘラとほほ笑むしかなかった。

  

  


 

 



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