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2本の尾  作者: ジャニス・ミカ・ビートフェルト
第一部 ”みけ”
29/100

何で家政科に来たの?

  うえ~せっかく課題終わってホッとしてたのに~う~ん。


「 うん、なんでやって無いのかな?頭は私よりだいぶいいはずでしょ?

  ま、手伝ってもいいけどあくまでお手伝いですからね 」


 一応手伝うことにしたが、ちょっとは嫌味を言う。


「 あのさ、”みけ”頭関係ないじゃん、こういうのって才能じゃん。

 あんたは頭はアレだけど、実技はピカ一だし…実技課題は全部こなしてるじゃん 

 私はさ、苦手なんよこういうのがさ 」


 は、家政科に来る意味ないじゃん…って、何気に頭がアレって言われたんですけどぉ…


 あ、でも木田ちゃんって確かに

 創作料理の時なんか得体のしれないもの作るほど不器用で天然だから無理か…

 ホントなんで家政科に来たんだろう?


 瞳は単純に横から聞いて尻馬に乗っただけだろうけど、

 バイト仲間だし、さっき友達になるって言ったしな~仕方ないか。


「 あのさ、才能とかじゃなくて提出物出さないと夏休みが減っちゃうじゃん。

 私はさ、夏休みも結構バイト行くから困るからチャンとやってるだけです 」


「 そうなんだよね~あたいも夏休みはバイト当てにされてるし未提出はヤバいよね 」


「 なら…なんでやって無いのかな? 」

 えらそうに…木田ちゃんの方がちゃんと頭を下げてお願いしてるのにさ…

 頭が緩いのと同じぐらい沸点の緩い私だけどちょっと腹が立つ。


「 んとね…生地を買いに行く暇が無くてさ~ 」


「 はああ?じゃ、何もやってないって事? 」


 驚いて聞き直したけど、瞳の返事より先に木田ちゃんが遠慮がちに手を上げた。

 いや、あんた…2週間無いんですけど…生地から選ばないといけないんですか?

 型紙作って、反物を裁断して…しかも手縫いだよぉ…時間が無いんですけど…


「 まあ、しょうがないわね…熊田さんとこで買いに行くしかないわね…

  それも早いとこ…今日の帰りにでも買っていかないといけないかなぁ 」


 聞いた以上は何とかしないといけないし、早めに手を付けるしかない。

 

「 でも、帰りのバスが出るじゃん。どうすんの? 」


  瞳がさらって言ってくれた…分かってますって。

 高校から家に帰る方法ってうちのバスしかないし…

 後からみんなで集まって何て言ったら、すごく遅くなるし…

 お兄ちゃんたちのご飯は出来ないわ、瞳んちなんか歩いて帰らないといけないしなぁ…



 その時、いきなり剛ちゃんが声をかけてきた。


「 それだったらさ、お姉ちゃんが車出してくれるから大丈夫だよ 」


 私が何でと首をかしげると、

  

「 ああ、実はさ、さっき家から電話があってさ、

 久しぶりにジャニスさんが来ていて、

 御山さんにちょっと挨拶がしたいっていってるから呼んできて言われたの。

 ジャニスさんは今日は家に泊まっていくけど、

 明日には帰るっから今しかないんだよね…来るでしょ?


 勿論さ、うちの反物も欲しいなら瞳さんも木田ちゃんも一緒でも構わないですけど 」


 ラッキ~車が出してもらえるなら助かるわ。

 それに、ジャニスさんか…すごく久しぶり…恩人だし挨拶はしないとね、うんうん。


「 も… 」と口を開けるより早く関係性が低い木田ちゃんが目の色変えて返事した。


「 勿論行くわよね”みけ”、あ、私も当然行きますから 」


 あ~やだやだ…餌に目の色変えてるカワウソみたい…好きなんだね剛ちゃんの事。

 あ、でも…これってまさか。

 と思っていたら、私たちの所に走ってくる人影が…


「 えっと…その車って6人て乗れる? 実は私も…買いたいものがあるんですけど 」


「 え、まあ7人乗りだし…って、

 中村さんてこの間、浴衣に生地買ってくれたんじゃあなかったけ? 」


「 あ…いや、ぽっくりとか…折角浴衣作ったんだし…お祭りにも行きたいしさ 」


 へええ、顔が真っ赤じゃん。


 しかし、狂乱って言われた中村さんも好きな男の前じゃあ、しっかり女の子やるんだ。




 










 

 

 



 

  

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