神々の黄昏編 #1
新連載です!よろしくお願いします。
ーーー深い夢を見ていた
それは荒れ狂う大地と神々の闘い
そして最後に、世界が炎に焼き尽くされ、、、
「おや、目が覚めましたか?」
どこからかやって来た、エルフ族のような女性が言った。(ちなみにエルフ族のような。で、厳密にはこの女性はエルフ族とは違う雰囲気がするため、エルフ族ではないのだが)
「世界が終わる夢を見ていた様な気がする」
「世界が終わる夢ですか。きっと気のせいですよ。」
「今日が出立の日ですよね、頑張って来て下さい」
その女性はそう言うと去っていった。
時は二日後。神々の神殿
「貴方がオーディン様に選ばれた新神ね。私はフレイア。貴方の上司になる女神よ」
「はい。本日よりビフレスト守護の任務についたイレーネです。フレイア様、よろしくお願いします。」
「ええ、オーディン様から話は聞いているわ。けど、貴方の任務は変更になったわよ」
「はい?」
フレイア様は話を続ける。
「貴方には、ヴァルハラに少し滞在してから、もう一人の新神と共に異界や人界へ渡って調べて欲しいことがあるの。貴方は聞いたことあるわよね?『神々の黄昏』の予言。それについて調べてもらうわ。」
ーー神々の黄昏ーー
それは、この世界の者ならば、殆どの者たちが聞いたことがある予言である。簡単に言うと神々と巨人が争い、最後に巨人の長である
スルトが炎の魔剣を振るい、世界を焼き尽くすというものだ。
「しかし、前々から思っていたけど、スルトがそんな事をする訳がないのよねぇ...」
「フレイア様は、巨人の長と知り合いなのですか?」
「ええ。まあ、知り合いというか、どちらかというと親友みたいなものかな。彼女は穏やかで温厚だし、巨人族を率いるカリスマ性も持ってるから。一度ムスペルヘイムへ行った時に偶然会ったから話しかけてみたら、凄く気が合って仲良くなったのよ」
その時、私の中で変な違和感が生まれた。
『その』スルト様と『私のイメージの』スルト様は何かが噛み合わないという感覚。この感覚は一体なんだ?
「フレイア様。」
「ん、どうしたのイレーネ?」
「なんというか、変な感覚がします。ラグナロクに妙な既視感があり、まるで自分がそれを体験したかの様な。」
「そう...実は貴方の任務に共に参加する新神も同じ様な事を言っているのよ。彼女の名はスカイ。新人のヴァルキリーよ」
私以外にも同じ様な感覚を持つ者がいるのか。
「だから、貴方達には、神界から巨人界、人界などを渡って、ラグナロクについて調べて来て欲しいの。勿論、危険が迫ったら直ぐに帰還する事。いいわね?」
「状況は理解しました。しかし、戦闘が起こる可能性もあるかもしれないので、神殿の護衛天使達の訓練に参加してもいいですか?」
「ええ、許可するわ。」
「ありがとうございます。」
まあ、少しでも戦闘能力を上げておきたいしな。訓練は無駄にはならないだろう。
『フレイア様!!』
神殿の奥から声が聞こえた。
「あら!『スカイ』、ちょうど良かったわね。この子が貴女と共に任務に参加するイレーネよ。」
「フレイア様。この女性が、」
「ええ、この子がスカイ。貴方と共にこの任務に参加するヴァルキリーよ」
「スカイです。よろしくお願いします」
「ああ、よろしく。これから頼む」
これが私と彼女の出会いだった。