キティ・ザ・タイガー
虎の娘、キディ。彼女はスマフォを宙に放ると、目の前の敵めがけて駆け出した。
「バカが!」
敵は機関銃を構え、キディめがけて掃射する。豆まきみたく、鉛弾がパラパラと飛散する。そういう風に視えるのは、キディが常人離れした動体視力を有しているからだ。
キディは心の中で宙に浮かぶ弾丸の数をカウントする。総計20ちょい。カウントを終えると、キディは歯を喰いしばる。
「何だ!?」
キディの全身が炎に包まれる。巨大な一個の火の玉と化したキディ。そのまま、敵にタックルを決める。
「ぎょっ!?」
キディと衝突した敵は、勢いよく後方に吹き飛ばされた。ドン! 敵は置き捨てられた軽トラックに激突。背骨を折り、肺を圧迫され、口から血を吹く。
キディは落ちてきたスマフォをキャッチする。ディスプレイには「送信完了」と表示されていた。
「き、、、きさま、、、人間なのか」
キディは瀕死の敵に一瞥をくれる。それから、スマフォを操作し、ディスプレイを敵に向ける。
『わたしは虎の娘』
キディ・ザ・タイガー。彼女はロンリーガールと双璧をなす、本物のヒーローである。