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神の力を持つ能力者  作者: 神薔薇 恋
第1章 入学編
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第2話 戦争の傷跡

どうも神薔薇です。


今日は宗弥登場です!!

戦争についてもあります。


どうぞお楽しみください!!

『日亜魔法大戦』による被害は、終戦から5年経った今でも残っている。


日本は亜細亜連合軍の襲撃やテロ組織の襲撃で多くの被害を負った。

特に東京は主要都市である事と魔法の研究所が多い事も有り、狙われ易かった。

その為、受けた被害も大きいものとなった。


しかし、それでも日本の有利は揺るがなかった。

亜細亜連合は魔法の技術が遅れている。

それは国として魔法に力を入れ出した時期が他国に比べて遅かったからだ。

その為、魔法技術の向上を第一とし、国の総力を挙げて取り組んでいる。

ただ、急激な魔法技術向上により亜細亜連合は綻びを見せた。

方向性の違いによる派閥争い、安全性を度外視した魔法開発。

開戦の原因となった魔法実験の失敗も、それが原因である。

成果を中々上げれず、焦っていた研究者たちが政府の意向を無視して実験を行った。

安全性を度外視した魔法は暴発して終わった。

元々小さい研究所だった。最後のチャンスだと考えていた彼らは全員で実験場に足を運んだらしい。

その為、当然ながら関係者は全員死亡。

被害を受けた日本への対応を巡り紛糾し、派閥争いは激化した。

亜細亜連合は元々、魔法技術が遅れていた国々が一つになった国の為、各派閥による政権争いが激しかった。


当然、そんな状態では魔法先進国の一つに数えられる日本に勝てる訳無かった。

それでも日本相手に戦えたのは、一部の派閥が日本の魔法技術を狙うテロ組織を支援したり、名の売れた傭兵団と契約したりしていたからだ。

まあ、テロ組織の支援に関しては終戦後に問題視されていたが……。


結局は、亜細亜連合の内部争いによる、自爆だった気もするが、終戦を迎える頃には亜細亜連合は勝ち目皆無と言える程度まで疲弊していた。

そして2210年3月9日に日本は亜細亜連合に停戦協定を申し込んだ。

戦況が日本絶対有利だったことから、亜細亜連合は多くの対価を払う事になったが、停戦協定に応じた。

まあ応じなければ今頃、亜細亜連合は無くなってたかもしれないしな。


日本絶対有利と思われた戦況の中で結ばれた協定には疑問の声が多く上がった。

しかし日本政府からの説明に国民は納得し、戦争が終わった事を皆が素直に喜んだ。

日本政府からは以下の説明がされた。

・既に日本は大きな被害を受けている為、修繕対応を急がねばならない事

・戦争により活発化しているテロ組織への対応を急がねばならない事


こうして初めて能力者が参戦した国家間の戦争は、お互いに大きな傷を負ったが、日本の勝利で幕を下ろした。


この戦争は世界の人々の心に刻みこまれたことだろう。

なにせ能力者の力を再確認させる大きな出来事となったのだから……。


   *  *  *  *


約4年も続いた戦争の傷跡は、今もまだ残っている。

テロ組織も終戦後2年ぐらいは活発化したままだった為、その後も被害は出ていたしな。

今も、完全に無くなった訳では無いし。


「ねぇ。ソラ」


「何?」


「ここの公園とかはやっぱり直さないのかな?」


ラーナはブランコに腰かけて公園を見渡す。


建物や道路の修繕は大体終わっている。

だがこの公園などにはまだ、戦争の傷跡が残っている。

だからなのか、立ち入り禁止になっている公園も幾つかある。

今いる公園も壊れた遊具が撤去されただけで、遊具はブランコしか無い。

まあ、小さい公園だしな……。


「難しいんじゃないか?やっと道路とかが終わった所だしな。まだそんな余裕無いんだろう」


「……そうだよね」


ラーナは俯いた。

何度目だろうか、この悲しいそうな顔を見るのは。

俺はいつも通り、気持ちが落ち着くまで頭を撫でる。


「空兎!!ラーナ!!」


良く知る人物の声が聞こえた。

彼、箕舟宗弥とは5歳の頃からの幼馴染で親友だ。

彼の家は箕舟財閥という、魔道師関連の商品を開発販売している世界でも有名な大企業である。


俺らは宗弥の両親にかなり気に入られてる為、よく世話になってる。

宗弥の父である慎二さんはラーナと2人暮らしするときかなり手を貸してくれた。

母親の千夏さんには昔から料理とか家事を教えてもらっていた。

その為、今はその恩返しとしてデバイス開発や魔法の開発とかを手伝っている。

研究所の人も良い人ばかりの為、よく研究所に足を運んでる。


そして宗弥は俺のライバルでもある。

単純な身体能力だけなら宗弥の方に軍配が上がる。

技術や戦術も入ると俺の方が勝つ。今の所、勝率は俺の方が高い。


ちなみに宗弥には〈神の恩恵(ディバインギフト)〉のことは説明してる。

彼も師匠の事を知っている為、復讐に手を貸してくれている。


「おはよ!!宗弥君」


「おはよう、宗弥」


「うん。おはよう2人とも」


こいつとはずっとこんな関係が続いて欲しい。

師匠の事を考えるといつもそう思ってしまう。


「何の話をしてたの?」


「公園の遊具は直されないのかなってな」


宗弥は昔を思い出すように目を閉じた。


「あれからもう、5年も経ったんだよね」


「そうだね」


「人々の心に能力者の力の強大さが刻み込まれてからな」


あれから世界は変わった。

魔法開発を重要視する国は多くなった。

それと共に魔法を悪用する者も増えた。


「うん。あれから世界は急激に動き始めた」


「あれから魔法は世界の中心になったもんね~」


「ああ。戦争やちょっとした小競り合いでも魔法が使われるようになった」


当然、その分被害は格段に大きくなった。


「世界の情勢も色々変わったよね」


『日亜魔法大戦』以降、小競り合いでも魔法が使われる様になってからは国の体系は大きく変化した。

被害が大きくなって行き、国として維持出来なくなった国は、他国に吸収されるか、滅ぶかのどちらかだ。

他にも魔法の技術を高める為に連合を組む国も多く出てきた。


亜細亜連合は何とか持ち直し、国として維持できている様だ。

それでも先の戦争により厳しい立ち位置にいるが。


「人の考えも変わってきたよね~」


「そうだね。戦争が終わってからは魔法主義になったと思う」


確かにそうだ。

だがこれは俺からすれば嬉しい変化だ。


「まあ、それは俺たちからすれば好都合だけどな」


「ふえ?なんで?」


「考えてみろ。〈神の恩恵〉の特長は?」


「あー。そういうことか」


あの一言でラーナは気づいたようだが、宗弥は首傾げたまんまだ。


「魔力量が異常な量になるだろう。そしてそこまで魔力量が大ければ目立たないはずが無い」


「そうなれば当然アイツらに狙われるってことだね!!」


「そういうことか。確かにそうだね」


まあ、リスクはそれなりにあるけど……。

ラーナは絶対に俺が護る。


「アイツ等から来てくれるようになるなら問題ない。逆にチャンスだろう」


魔法学校なら他の目的も達成できそうだし。


「それに高校ともなると、行事とかで色々な人に会う事になるからな。情報収集や味方を作るのには持って来いだ」


「だね~。お偉いさんとかって会ったことある人も来るだろうし楽しそう!!」


宗弥はパーティーに結構出てるから、顔も広いしな。

俺とラーナも会社の手伝いをしてる関係でお偉いさんと何回か会った事あるしな。


「アイツ等を疎ましく思ってる奴は思いの外多い。俺だって師匠を失ったしな。それは未だに心に残ってる戦争の傷跡だな」


そうあの楽しかった日々に傷をつけられた。


「それにアイツ等はラーナを道具として扱おうとしてる。俺の家族に手を出す奴は絶対に許さねぇ」


ラーナは俺の腕に抱きついて、こちらを見上げた。


「じゃあ私はソラが、家族が傷つけられたこと。それがアイツらにつけられた戦争の傷跡かな」


「僕は親友が傷つけられたことだね」


「お前ら…………」


嬉しいこと言ってくれるよ。

本当に。

俺は決意を改め、拳を掲げる。


「アイツらは絶対にゆるさねぇ。絶対に俺たちの手で潰す」


「うん。やられたらやり返さなきゃね」


ラーナも右手を上げる。


「うん。今度こそ、誰も失わせない様にする為に」


そして宗弥も右手を勢い良く突き上げた。


俺は……、俺たちはアイツ等によって大事なものを失った。

大事なものを傷つけられた。

それは俺たちにとって何より大事なもので、この戦争の傷跡は忘れる事の出来ない傷となった。

だから俺たちは誓う、この借りを返すことを。

どうでした?


今回は結構まじめなとこ多いですね。

次回はやっと学校に着くかな?

魔法のこともちょっと説明するかもしれませんね。


誤字や脱字があれば教えてください。


では、

さよなら~~~

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