第29話 説明
どうも神薔薇です。
今回もあまりかからず書けて良かったです!!
それにしても今回も2人しか出ない。
まあとりあえず本編を楽しんで貰いましょう。
どうぞ!!
空兎side
水百合さんと会って次の日。
俺は今、水守神社の手前まで来ていた。
後はこの会談を上るだけだ。
ここに来たのは昨日の夜、水百合さんにここに来てほしいと頼まれたからだ。
まあ、理由は大体分かっている。
フォースについてだろう。
彼女は強大な霊視能力を持つらしい。
あの日、彼女を助けた時何か視られてる感じがした。
あの時周りには俺ら以外誰も居なかった。
というかそれ以前に物理的に見られてるんじゃなくて、俺の本質的な何かを視られてるという感じだった。
それで気になって調べたらすぐ分かった。
彼女は日本では、正体不明な力が有ると彼女に頼るらしい。
彼女のおかげで何事もなく危険な物を無事回収出来た事少なくは無いらしい。
神具の類の正体を霊視したという情報もある。
この事からも彼女の霊視能力がどれほどのものかが分かる。
だから俺の力についても視ているだろう。
あの時フォースを使わない方が良かったか?
少しミスった?
いや、使わなくても彼女ほどの強力な霊視なら変わらないだろう。
ならこれは必然か。
まあ、彼女が視たものを他者に伝えたかどうかだな。
それによっては俺のすべき事が変わる。
「お越し頂いて有難う御座います。
神音さん」
考え事をしながら階段を上ると、上り終えた所で声が聞こえた。
その声に目を向けるとそこには水百合さんが居た。
今日の彼女は巫女服を着ていた。
その姿は彼女の腰辺りで縛った黒く綺麗な長い髪とも合っていた。
それは大和撫子という言葉が良く似合っていた。
俺は思わず少し見惚れてしまっていた。
「あ、あの……。
ど、どうか致しましたか?
そんなに見られると恥ずかしいのですが……」
「ああ。
すまない。
その姿が凄く似合っていてな。
思わず見惚れてしまった」
そう言うと彼女は顔を真っ赤に染めて慌てた。
「そ、そんなことありません!?
お世事を言わないでください!?」
凄い勢いで否定された。
こんな感じで褒められる事に慣れていないのか。
でも彼女は間違いなく美少女と言える顔立ちをしている。
というか、学校でも彼女は今年の新入生でもトップクラス美少女として有名だ。
人気も高いし。
まあ顔は可愛くて、性格も良い、いつも弁当を持ってきてるらしいから多分家事などもできる。
こんなけ色々モテる要素を持っていれば当たり前か。
でもだからこそ、こういう褒められ方には慣れてそうなもんだが。
いや、あれは褒められ慣れて無いというより彼女の性格の問題か。
「いや、お世辞じゃないんだがな。
まあ、そんなことより本題に入ってもいいか?」
俺がそういうと、水百合さんも落ち着いたようで真剣な顔をする。
「はい、すいません。
ではこちらへ。
少しお聞きしたい事がありまして」
「わかった」
俺は彼女の案内に従いついて行った。
そしてある部屋に連れてこられた。
床は畳で和というものを感じられる部屋だ。
水百合さんが何に入り正座して座る。
俺も彼女の前に正座して座った。
そして彼女は黙ったままだ。
長い間静寂が続く。
彼女の体を見ると震えていた。
怖がっているのか?
これはこっちから聴いた方が良さそうか?
「それで、聴きたい事ってなんだ?」
俺が出来るだけ優しい声で言うと、彼女の体の震えは幾分かマシになった。
彼女は胸に手を当てて深呼吸する。
そして、決心したかの様に彼女は俺の目を見詰めた。
そして口を開いた。
「はい。
では聞かさせてもらいます。
ですが、その前に私には……」
「いや、君の力については知ってる。
強力な霊視能力を持っているのだろう」
俺が彼女を遮って喋ると少し驚いた様な顔をする。
でもそれも、すぐに元に戻った。
ある程度は予測していたようだな。
「そうですか。
知っていてもらって光栄です。
では、今度こそ聞かさせてもらいます」
「ああ」
「では、この前は助けて頂いて有難う御座います」
彼女は頭を下げてきた。
本当に彼女は律儀な性格のようだ。
「いや、気にしなくていい。
君が無事で良かった」
「はい。
有難う御座いました」
彼女は頭を上げて、俺の目を真っ直ぐ見る。
「私が聞きたいのは、神音さんに助けて頂いた時に視たものについてです。
私が視たのは、ありとあらゆる種類の時計が有る世界でした。
その時計たちの針は全て違う時間を指しており、進む速度も違っていました。
時間が停まっているかの様に停まっている物も有りました。
時間が戻っているかの様に反時計回りをしている物も有りました。
そして時間が飛んでいるかの様に進む物も有りました。
これが、私の視たものです」
彼女は一度息を整えもう一度俺の目を見る。
「私はそれから、『時を操る』そういった能力を持っている様に感じました。
これは人間には身に余る力です。
神のみが行使できる力と言っても過言ではありません。
この事についての真偽をお聞きしたいのですが」
なるほど。
ここまで当ててくるか。
本当に彼女の能力は本物らしい。
そしてそれ以上にこんな事を訊いてくるなんて。
こんなの普通できないぞ。
彼女は俺のフォースについてある程度確信している。
相手は神の様な力を持つ人物。
しかも、その者の事を殆ど知らない。
もしその者が暴虐無人な人間なら?
そんな相手に無礼を働いたりしたらどうなるか分からない。
なのに、彼女は俺に訊いてきた。
この事から彼女の心の強さをうかがえる。
「訊きたい事が一つある」
「何でしょうか?」
「この事について他の人には?」
「いえ。
まだ、誰にも話していません」
「そうか、ありがとう」
なるほど。
まあ言えば周りは混乱して大騒ぎになりどうなるか分からない。
こんな規格外な事を知っても冷静に判断できるのか。
本当に彼女は俺の想像以上の人物のようだ。
これは、俺の負けか。
まあ彼女だけしか知らないなら、ちゃんと話して他に言わないようにした方がいいか。
「それで、能力についてだが。
事実だ。
俺は時間を操作する異能力を持っている」
俺がそういうと、彼女は驚愕した顔で俺を見た。
「ほ、本当なのですか!?」
「ああ」
「そ、それは一体どのような能力なのでしょうか!?」
彼女は凄い勢いで俺に詰め寄り問いただしてくる。
ッ!?
というか、胸が当たってる!?
柔らかい……。
それに、巫女服が乱れて少し見えて!?
というか、結構大きい?
って、俺は変態か!?
落ち着け。
とりあえず彼女をどうにかしないと!!
「み、水百合さん!?
落ち着いてくれ!?
そして出来れば離れてくれると助かるんだが」
俺が彼女の両肩を掴みそう言うと、彼女は少し落ち着いた様で離れてくれた。
離れた彼女は顔を真っ赤に染めて乱れた服を直して頭を下げてきた。
「す、すいません!?
は、はしたない事を!?」
「い、いや。
気にしないでくれ。
今のはお互い忘れよう」
「は、はい。
有り難う御座います」
彼女は深呼吸をして落ち着いた。
「そ、それではお聞きして宜しいでしょうか?」
「ああ。
だがその前に頼みがある」
「なんでしょうか?」
「この力について誰にも話さないで欲しい」
「え?」
「この力は、本当に強力な力だ。
だからもし、知られれば確実に俺は狙われる。
そうなれば俺の仲間は絶対に巻き込まれる。
それは嫌だからな。
だから、できれば誰にも話さないでくれないか?」
俺が頼むと、彼女は安心した様な顔をする。
「はい。
わかりました。
私は元々こんな強大な力を持つ責任を持っているかを確認したかったのです。
ですがあなたはそれを持っていました。
なのでお約束します。
絶対他言しません」
彼女は真剣な顔で言ってくれた。
彼女は約束を破るような人物じゃない。
これで安心だな。
「じゃあ話そう。
まず、この力の名は『神の力』という。
俺はこれをフォースと呼んでいる。
そしてこの力を持つ者は複数いる」
「神の力!?
それに、複数ですか!?」
「ああ。
まあ、人によって能力は変わるけどな。
それが俺は時間を操る事だったんだ」
「そうだったんですか。
まさか、本当に神の力だったなんて」
「まあ、神の力と言ってもそのままじゃない」
「そうなんですか?」
「ああ、俺の場合時間を操るのに莫大な魔力を消費する。
フォースに魔力量を多くする効果が無かったら使えないだろうな」
「そ、そうなのですか。
神音さんの魔力量はどのくらいなのでしょうか?」
「SSSランクだ」
「え!?」
彼女は驚愕した様な顔をする。
まあ、SSSランクもあるのにそれでもキツイぐらい魔力を使用するとわかったら驚くか。
「それと、この力は強力だが欠点もある」
「そ、それは?」
「属性魔法が一切使えないんだ」
「そ、そうなのですか!?」
「ああ、正確に言うと精霊に力を借りれないんだ」
「?」
彼女が俺の話を聞いて首を傾げる。
「じゃあ、入試はどうしたのですか?」
「ああ、筆記で満点を取ったら大丈夫だった」
「あの問題を全部解けたのですか!?」
彼女はまたもや驚愕した顔をする。
もうそろそろ見慣れてきたな。
「ああ、魔法を造ったりもしてるからな」
「そ、そうなのですか。
すごいですね。
そういえば、フォースは複数の人が持っているのですよね?」
「ああ」
「では、他の人について知っているのですか?」
「知っているぞ。
というか、学校に居る」
「え!?」
「新入生総代のラーナ・ウェンデールだ」
「そ、そうだったのですか。
同じクラスに居たのですか。
たまに感じた力はウェンデールさんのだったのですか」
どうやらラーナのにも気づいてたらしい。
「あ、あの。
ウェンデールさんは一体どのような力を?」
まあ、水百合さんなら教えてもいいか。
「ラーナは人間に出来る事ならできる」
「ッ!?」
これにもまた彼女は驚愕する。
まあ、ラーナのも本当に規格外だからな。
「だからあいつはフォースを持っていても属性魔法を使える。
まあ精霊の力を借りれないから、魔力はかなり使うが」
その後も俺はこの力をラーナに貰った事を話した。
まあ師匠のことや、神に愛されし者については話さなかったが、水百合さんはずっと驚きっぱなしだった。
だが彼女の驚いた顔は可愛かったとだけ言っておこう。
どうでした。
祐凛「こんにちは」
お!!
今回は早速祐凛の登場か。
祐凛「はい。
お邪魔させてもらいます」
うん。
にしても、今回は祐凛大胆だったね。
祐凛「あ、あれは!?
そんなつもりじゃ!?」
うんうん。
すごい積極的だね。
祐凛「さ・く・しゃ・さ・ん?」
ヒィ!?
ゆ、祐凛さん。
怖いですよ?
というか目が笑ってないですよ?
祐凛「すこしこっちに来ましょうか?」
ぎゃあ!?
引きずらないで!?
祐凛「フフフ。
反省してください」
ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
祐凛「では、作者さんが居なくなったので今回はこの辺で。
さよなら~」




