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王子さまもチートなのよねぇ

できれば主人公には幸せになってほしい、でもなんかNTR臭がするからどうしようか……悩む


今日も今日とて最低限の衣食住を確保しながら生活するイリスです。


「今日は騒がしいな……」


何時もは三人一組で仕事をしながら喋っているメイドたちが今日は仕事もしないでお喋りをしている、警備の騎士たちもなんだか多めだ。


「お姉さま!」


向こうから笑顔で妹が後ろに二人も騎士を引き連れて向かってくる。


「アイリ?今日はいつにもましてふわふわしてるわね?」


頭も洋服もな!


「そうですか?だって今日は帝国の第一王子がこの国にいらっしゃるのですよ?」


へーそうなんだー……


「え?そうなの?」


初めて知ったんだけど。


「やっぱり何も知らされていなかったんですね?」


「いや、だって」


友達っていうのははじめの一歩が大切だよね?うん。

友達のいない私にはそんなこと知ることできませんよ、すいませんでした~。


「だってもなにもありません!だいたいお姉さまはいつもいつも服装に関して興味がなさすぎですよ!」


服は勝手にメイドが用意するけどあんなドレスやら豪奢な服いつも着ていたら肩が凝るだろ?

だから私はこの目立たない程度のゴスロリでいいんだよ、これが一番ましだった。


「いいのよ私は空気で、めんどくさいことは好きじゃないの」


「むー、もしかして今日のパーティもサボるきですか?」


上目遣いで柔らかそうな頬を膨らませて私を見つめるアイリにどす黒い心を見透かされるんじゃないのかと気が気でない。


「ええ、めんどくさいものそれに―――」


その王子様もあなた目当てで来るに違いないしね。












そのあと妹のお願い(という名の命令)により仕方がなくパーティーに出席することにした、といっても形だけで始まったらすぐに抜け出す算段だけどな。


「あー暑苦しい」


体中に塗られたパウダーっぽい何かが汗でべったりと張り付く。

腕を見ると貧弱な白もやしな腕がパウダーでさらに強調され―――


「大理石と間違えられそうだな……」


なんかもう病人だよこれ。


「まだ来ないの?さっさと風呂入りたいわー」


王子が現れるであろう門を眺めながらこないだのことを考える。

前回妹に泣きつかれた後いろいろ試した結果虐めが全て私に向かいましたよ……アハハ


どうやら彼女たちの虐めは嫉妬から来るものだったようです、幼少期にはよくあるよね、友達になりたいけどなれないから虐めようって感じのこと……


「……さま、お姉さま!」


ん?外野がうるさい?


「……何?」


横を向くと頬をほんのりピンク色にしたアイリが私を揺すっている。


「ボーっとしすぎですわ、もうすぐヨハン様が来ますのに!」


ヨハンというのはさっき話題に出た帝国の第一王子の名前、年は私の5歳上で15歳、かなりの美形で魔法もすごくて男版アイリである、チートタヒね。


彼と初めてであったのは私が4歳で彼が9歳の時だ、あの時から6年もたったのか。


「はいはい、そうね、そうですねー」


「なんですかその言い方はっ」


「あーはいはい」


「はいは三回ですわ!」


「はいはいはい……って何言わすのよ?」


「こないだの仕返しですドヤァッ」


こないだっていつのことだよ?


「喰らえデコピン」


ペチッ、とりあえずむかついたのでデコピンをしておく。


「あうっ、ひどいです……」


そうやってくだらない喧嘩をしていると噂の王子様とやらが来たそうだ。


「へぇ……」


「まぁ……」


門を開けて入ってきたのは記憶にあった綺麗な金髪と氷のような青い瞳の女の子に別の意味でもてそうな顔をした弱気な少年ではなく多少精悍になっていた男の子だった。


「あの糞ガキが立派になったもんだ」


帝国の第一王子、か。


「―――っ!」


イケメン死ねとか思いながら彼を眺めていると突然こちらを振り向いた彼は私の顔を一度眺めた後また別の方向を見始めた。


「ヨハン様お姉さまのことを見てましたね?」


「あ……うん、きっとアイリのことを見たのよ、そうに違いないわ」


「そうですか~?」


なんだその眼は抉るわよ?



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