7/7
クラシック・ミニと一緒-07
「タイヤが偏磨耗します」
ガイア氏はため息をついていた。
「ウチのもズレてるな、たぶん」
「調整方法なんですが……」
僕はコーヒーに口をつけた。
「ラジアスアームブラケットとサブフレームの間に、シムを入れれば調整できます。シムはミニ屋さんで購入して下さい」
「意外にやっかいですねぇ……」
「やっかいです」
僕は大きくうなずいた。
「だけど……」
こう続けた。
「手間とお金を掛けるだけの価値は、十分にあると思いますよ。クルクル曲がるようになるし、偏磨耗もしなくなりますから」
僕はニッコリ微笑んであげた。
「なるほど……」
考え込むガイア氏。僕は黙ってその姿を眺めた。
その後僕たちは小さく手を振って別れ、僕は帰路についた。悪魔の囁き……効いてくれてると良いんだけどな。
-完-