待って、何が起きた?
「おはようございます。」
朝一一番そう言ってきたのは近藤さくらだ。いや、ちょ待てよ、ここって誰の部屋だっけ?。そう思い、部屋を見渡す。いや、俺の部屋だ。間違ってないと思う。あれ、じゃあなんで、近藤さくらがこの部屋にいるんだ。そうじゃない。下に布団が敷いてある。もしかして、スー、今夜同じ部屋で寝てた?。嘘だろ。聞いてないんだけど。
「あれなんでこの部屋にいるの?」
「すいません。あの、お母さんに、部屋がないからここを使ってと言われまして、起こさないように細心の注意を払って寝ました。」
なるほどね。やっぱ元凶は母親か。
「はーい。みんな下に降りてきて。」
そうやって、僕らは母親に呼ばれ下に降りていく。
「ねぇ、なんか言わなきゃいけない事ない?」
僕は母親に聞く。もしこれで、変なことを言ってきたら許さん。
「えーなに?」
ニヤニヤにしてこっちを向く。あー。これ絶対にめんどくさいやつだ。
「うれしいでしょ」
いやうれしいでしょとかいう前にいろいろマナー違反なところあるでしょ。
「マナー違反だからね。それ。」
これは、僕にとってもさくらさんにとっても、まぁ、思うことがあることだ。だから、僕はきつく言った。
「ごめんね。悪いとは思ってる。でもね、部屋が今空いてないんだよね。」
ボソッ
なんか悲しいことがボソッと聞こえた気がする。うちの親の職業だとしょうがないのかな。いや、これ以上考えるのはやめよう。めちゃくちゃネガティブになってくる。
「まぁまぁ。朝ご飯を食べましょう。私は気にしていませんので。」
近藤さくらが話の流れを変えるためにそう言った。
「いただきます。」
家族全員で朝ご飯を食べ始める。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
しっかりと食べ終わった。食欲がないわけでもないのになんか少しおかしい気分がする。
「じゃあ行ってらっしゃい。」
気づいたらもう学校を出発する時間になった。
「じゃあ、今日頑張って。」
母がそう言って、僕と近藤さくらを送り出す。