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まだ、始まってはいない

 僕の祖父、おじいちゃんがなくなってしまった。そして、今日葬式が行われた。

「改めて見ると僕って結構親族いるんだなー」

 不謹慎だとは思う。けれどもやっぱ、親族が集まるほぼ唯一の機会。少し感慨深い。そして少しだけ胸が高揚としてしまう。別に特別なことがあるわけではないが。


 (なんだろう、あのとても美人な方は)

 特別なことが起きました。

 年齢は僕と同じぐらいだと思われる。でも顔の整い具合がとても高い。

「ねえ、お母さん。あのこ誰?」

「誰?」

「僕と同じぐらいの年で、ほら、今あそこに座っている子」

「あー、あの子はあなたのいとこよ。」

「まじで!?、初めて知ったんだけど」

「そう?、あなたが小さい時一回だけあったことあると思うんだけど」

「いつ?」

「首が座ったときぐらい?」

「結構前じゃん、物心もついてないよ」

「なに、どうしたの、そんな気になる?」

「まあ、美人だとは思う」

「確か、、名前はさくら、、、、、、、、」、、、、、、、、、


「おはよー」

「おはようございます。」


 と多分付き合っているだろう彼氏彼女が挨拶をしている。彼氏は女性慣れしてないのかな?まぁ。いいや。

 はあ、まだ僕には彼女の一人や二人もいないというのに、、。なんか、こんな感じのを見るとあの女性のこと思い出すなー。また、会いたいなー。いとこだから簡単に会えるかな。会えるといいな。

 僕が通っている、私立中学校は昨年、共学になったばっかりだ。だから色々とカノジョいるかいないか論争とか、どっかの修学旅行とかで恋バナになったり、騒がしいもんですよ。あーはい。女子がいることはとてもうれしいんだけどね。


「のんちゃん、おはよー」

「あ、うん、おはよー」


 これは僕の友達、あっくんからの挨拶だ。あ、ちなみに僕の名前は近藤のん。このご時世、性別を言うのもあれかもしれないが性別は男だ。


「はい。皆さん座ってくださーい。」


 担任の先生がそう言い、みんながみんなぞろぞろと自分の席に座る。


「転校生の説明をします。、どうぞ」

「おはようございます、。初めまして。、近藤さくらです。宜しくお願い致します。」


 パチパチと拍手が起きる。

 あのこ、おじいちゃんの葬式であった人の気がする。気のせいかな?


「のんちゃん、近藤さんどう思う?」

「ノーコメ」

「正直、かわいいと思わない?」

「ひ、否定はしない」


 美人だとは思う。いや、本当はかわいいの方があっているのかもしれない。


キーンコーンカーンコーン


 あ、昼休みだ。カフェテリア行こう。


「あっくん、一緒にカフェテリアいかない?」

「いいよ」


 今日はカレーうどんにしますか。


「もし、近藤さくらがいとこかもって言ったら信じる?」

「もし、いや、まあ、もちろん信じないけど、顔が全然似ついてないし、ていうか何で「かも」なの?」


 うーん、こういうときってどんな風に説明をすればいいんだろうか。全部正直に言った方がいいのだろうか。確かに、隠す必要ってサラサラないんだけど、でも、葬式で会った人で母親に聞いたところいとこらしいいとか言ったとしても、「噓だー」って思われて終わりだろう。多分、僕と近藤さんとじゃ不相応だからだろう。


「何となく?何ていうか最近、祖父が死んで葬式が会って、そこにいた人に似てるなーって思って」

「あ、そう。つまり、近藤さんと親戚の可能性があるということ?」

「さっきからそう言っているのだが」

「確かに、お前の上の苗字は近藤だったよな。本人に確かめないの?」

「いやー、、うん、確かめたいって言えば確かめたい。けど、何か結構噂になってない?、近藤さんのこと」

「しょうがないでしょ。だってめっちゃ美人じゃん。ていうか、学校1美人な気がするからね。転校初日で天下を取るとは。」

「やっぱそうか」

「お、美人だと思ってるのか、やっぱり」

「うるさい」


キーンコーンカーンコーン


「チャイム鳴っちゃったね、教室戻ろう」

「そうだな」


「そう言えば次、国語小テストだって。勉強してない。どうしよう。」

「大丈夫、安心して、僕は勉強したから」

「裏切者」

「そんな、普通に勉強したぐらいで。でも今回の国語の小テスト範囲小っちゃいから安心して。」

「そうなん?、それなら何か安心するわ」


 今、教室についた訳だが、やっぱみんな勉強してるな。


「あの、すいません。」

「何でしょう!」


 心臓がビクッとしてしまった。近藤さんに急に話しかけられて。


「次、小テストらしいのですが。範囲を教えてもらってもよろしいですか。?」


 そうか、なるほど、今日転校してきたばっかだから範囲がわからないのか。そりょそうだよね。


「えーと、ここからここまで」

「そこまで長くないんですね」

「うん。でも、大丈夫、解ける?」

「多分。この学校に来るときに馬鹿にされないようにちゃんと勉強してきたので。」

「おー、すごい」


「はい、みんなテストを始めます。」


 カチャカチャ。テストをしているときはこんな感じの音がする。


「おーすごい!」


 まさか、満点を取るとは思っていなかった。

 ちなみに僕は70点。7割取れたら充分だ。そう思っていたが、こうも差がついてしまうと、うん。なんか、悲しい、いや、悔しい。そして、さっきから「おーすごい」しか言ってない気がする。


「ありがとうございます。」


 彼女がそう言う。そして、笑顔でほほ笑む。やべぇ、すげぇ。今まで女性からなんも感じてこなかったのになんか。うん。そう。なんか。


キーンコーンカーンコーン


 いろいろ考えてたら学校が終わっていた。どんな集中力なんだろうか。自分でもそう思う。ちなみに、近藤さんはその容姿端麗さというか、何というか、そんなこんなで、クラス全員と連絡先をつないでいた。


 家に帰る。安心できる楽しい我が家に。

 家に帰ったら近藤さんがいた。


「あ、こんばんは。」


 え。


「え。」


 思わず「え」と口と心に出てしまう。


「待って、どういうこと?」

「説明をされていませんでした?」

「う、うん」


 説明?、誰に説明される予定だったのだろうか。


「じゃあ説明します。私の両親は小さい時に亡くなりました。そして、私はおじいちゃんに保護されました。おじいちゃんはおばあちゃんが早く旅立ってしまったので、一人孤独だったのでしょう。そんな時に私が来ました。うれしかったのでしょう。でもそんなおじいちゃんも死んでしまいました。だから、私は今ここにいます。」


 あーなるほど。深い。話が深かった。僕が抱えるには難しい。いや、抱えるのは僕の両親だろうけど。


ガチャ


 誰かが帰ってきた。

 母親だった。


「あれ、もう帰ってんの?」


 いやもう夜の7:00。


ガチャ


 父親も帰ってきた。


「あれ、もう帰ってきたの?」


 父親も同じこと言う。流石両親。


「おかえりなさい。」


 近藤さんがそういう。


「おかえり」


 僕も言う。


「説明してたっけ?」


 母親がそう言った。いや、聞いてなかった。だから近藤さんに説明されたし、いろいろと困惑した。いっつも説明不足だからな、母親は。


「いや、聞いてなかったけど、近藤さんに説明してもらった。」

「さくらちゃん、ね。」


 めんどくせぇ。というより恥ずかしい。


「じゃあ説明しなくてもいっか。あ、でもこれだけ、さくらちゃんが今日からこの家に住みます。あと、さくらちゃん。もっとカジュアルで気軽でいいよ。これから、家族になるんだから。」


 そうしてというか、急に近藤さんがうちの家に住むことになった。




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