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猛き焔

残る磁場発生装置は一つ、リッカ山最深部に眠るものだ。ナダル達はユンランのギルドで計画を練っていた、リッカ山内部は少しのミスが死に直結するためナダルとリルの二人のみで行動する案が出ていた。

ナダルは山の地図を見ながら話す。


「うーん最深部となると厳しいな。リルと俺じゃ人数的にもなぁ・・・」


「ここまで来て死なれては話にならん、やはり人数を増やすべきじゃな」


「増やすと言っても我々に冒険者の知り合いはいませんからねぇ・・・」


その時、大地が揺れ始めた。ギルド内が荒れパニックになる冒険者でギルドの中はほとんどがらんどうと言っていいほど人が居なくなってしまう。それはは地震が収まっても変わらなかった。


「地震なんて久々だな」


「・・・磁場発生装置が破壊された。計画変更じゃ、お主ら今すぐに支度をせい。魔王城へ向かう」


リルの一言で三人が凍りつく。ナダルは度重なる四天王との戦いでまだ魔王に勝てるほどの実力は無いと結論付けており、勝つためには時間が足りないのだ。


「待てリル、魔王を倒す目処もないんだぞ」


「むぅ・・・案外なんとかなるかもしれぬぞ?」


リルはナダルの腕を引っ張りギルドを出る。あれよあれよと事は進み、人間の住処と魔王城を繋ぐ自然橋の上に立っていた。


「この先が魔王城、か」


「あと少し・・・あと少しじゃ・・・」


歩を進める。昼にも関わらず空は闇が覆い雷が走っていた。黒い木々が生えた森を進んでいると目の前に人工物が見えてくる。


「ついた・・・のか?」


魔王城を見上げる。黒い壁と黒い扉は外部から侵入する気を失せさせる威圧感を放っていた。意を決して内部に侵入しようとしたその時ラザリエが叫んだ。


「西の方角!リッカ山から何か来ます!」


その方角を見ると、火の玉がこちら目掛けて飛んできていた。よーく目を凝らすと人の形をしている。


「フハハハハ!!俺様と手合わせしろ!強血の人間!!」


目の前に降り立ったソイツは火の体を持つ魔人だった。筋肉を見せつけ物理的にも精神的にも暑苦しい存在だ。

意思を持つ猛き焔。リルはこれ以上ないほどの怒りを見せながらそのモンスターの名を叫んだ。


「イフリートォォォォ!!邪魔をするなああああああああぁぁぁ!!」


リルが剣を抜きイフリートに飛びかかる。しかし振るわれた剣はイフリートの体をすり抜けていた。


「ふん、お前に用はない。さあそこの男、俺と・・・」


「波風!!」


リルの剣がすり抜けていた事から物理攻撃が効かないと判断したナダルは、既に水魔法と風魔法を合成させイフリートに放っていた。

爆風に水が乗りイフリートの身体を消化する。イフリートは苦しみながら笑みを浮かべ、ナダルに向かい拳を振り上げた。


「やるではないか!星火燎原!!」


大地とぶつかった拳から火が爆散し森を燃やす。炎のフィールドが形成されナダルの体力を奪っていった。後ろにはユイレがいる、絶対に引くことはできない。


(今、絶対心臓部を消化されないよう守ってたな。つまり弱点は・・・!)


「リル!心臓狙いで合わせろ!鎌鼬!」


「閃火!」


イフリートを挟んで鎌鼬と閃火が飛ぶ。リルの火が風に乗って勢いを増しイフリートを包んだ。

燃え盛る閃火を見つめていると、イフリートは閃火を吸収し巨大化して現れる。


「フハハハハ!!千年あれば俺様も進化する、気炎万丈ォ!!」


火柱が四方八方に飛び散った。豪炎の中を必死にユイレを守りながら心臓を潰す方法を考える。


「リル!ラザリエさん!数秒でいい!俺が飛んだら時間を作ってくれ!」


「飛翔でも使う気か?させんぞ!」


ナダルの上空にに対して火箭が次々に発射される。飛翔で真上に飛ぶのは厳しそうだ。


「ユイレ、しっかり捕まってろよ。鉄鎖!」


鉄鎖が城壁に突き刺さり固定される。ナダルは鉄鎖を掴み、思い切り収縮させた。

収縮した鉄鎖は掴んでいたナダルを高速で城壁まで運ぶ。火箭の範囲外から出た瞬間、上空に鉄鎖を繋げイフリートの上まで飛んだ。


「よしきた!薪尽火滅!!」


「射撃開始です!」


「ぐぬぅ!?」


イフリートの足がリルの魔法によって消える。イフリートは火属性魔法を吸収するが薪尽火滅はそれを貫通していた。

続いてイフリートの顔が蜂の巣になる。ダメージは無いが視界を潰すには十分な物だ。


「圧潰・・・!」


イフリートのいる場所の重量が強くなる。それに伴いナダルの落下速度もかなり上昇した。


「トドメだ!蓬莱弱水ッ!!」


視界が潰れたイフリートは落下してくるナダルを捉えられず心臓部への攻撃を許してしまう。水がイフリートの全身を消化し、燃え盛っていた心臓もついぞ灯火を消した。


(威風!)


地面に叩きつけられそうになったナダルから爆風が出てクッションのように衝撃を受け止める。ユイレ共々無事に着地できたようだ。


「ふぅ、助かったぜシルフ」


(助かったぜじゃないよ!最後のことくらい考えて行動してよね!)


「ううー・・・酔っちゃう・・」


「あ、悪い悪い」


ユイレの背中をさすっているとラザリエとリルが駆け寄って来た。四天王を全員討伐し少しだが自信がついた。精霊達に魔法発動回数の確認や武器の手入れをし、ナダル達は魔王城に入っていくのだった。

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