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ただの奥歯  作者: 島猫。
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7:『婚約破棄はお好きですか?』

王都随一を誇るデパートで、髭剃りを眺めていた。

剃ると……失礼、すると、綺麗なお姉さんに話し掛けられた。


「婚約破棄はお好きですか?」


剃れば……失礼、それは最近、街の至るところで貼られているポスターでお馴染みの台詞だった。


『チクチクの 鬚のフィアンセ 耐えられない』というやや棘のあるポエム。眉間に皺を深く刻んだ若い女性のイラスト。口元からの吹き出しで『婚約破棄はお好きですか?』との文字。


ここ最近は毎日のように街で目にするようになったこのポスター。剃って……失礼、そして毎日嫌でも鏡を通して目に入る自身の顔の鬚。

エチケットとして、毎朝髭を剃っている。

剃れども……失礼、それでも鬚の成長が人よりはやいのか、夕方に手で頬に触れると、もうチクチクしている気がするのだ。

より高性能な髭剃りを求め、ポスターで宣伝されている髭剃りをデパートに見に来たのだった。


「婚約破棄は……好きじゃないです」


綺麗なお姉さんがニコリと笑う。






「お買い上げ有り難うございます」


ニコニコと笑う綺麗なお姉さんから紙袋を受け取る。

レジスターの後ろの壁に貼られたポスターの若い女性と目が合った。

眉間の皺が少し浅くなっている気がした。

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