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僕等たすゴマメがひとり同盟   作者: ももいろ珊瑚
17/20

17、男同士のココだけの秘密ね


 知らせを受け“見守り隊”のおばさん(カーサン)が二人

救急箱を抱えて丁度その時やって来た

事の次第が判らず、泣いてる未来花(スエスエ)とシュンタロウになってる広輔(コースケ)を“何があったの?”という目で見てる



「もうな、勘弁してやって。怪我は軽かったが、何かあるといけないから。手当てして貰って、終わったら今日はこれで帰った方がいい。中嶋先輩には俺がいま連絡する。久保のお母さん、消毒と処置をお願い出来ますか?」


「あ、ハイハイ、お願いされますよ」


「そこの水道で砂洗い流してからの方がいいじゃない?」


 もう一人の僕は知らない、ヤンママ風おばさん(カーサン)が言った

 んんー何処の国の人だろう?うちのチームメンバーは国籍豊かだからね

 最近マレーシアから来たって子が居たっけ?

 母さん(カーサン)がフィリピンから来たって子も居るし、韓国やカナダの国籍を持ってた子もいる

 皆んな広輔(コースケ)と同じ言葉で話してる

 僕には何が違いなのか分かんない

 顔つきやらは少々違うけど、僕と犬や鳥たちほどかけ離れてやしないんだもん

 ヤンママ風おばさん(カーサン)は他のおばさん(カーサン)達より若くて若干、肌の色が濃いめかな?

 そう言えば恵梨(エリ)に似た感じ?

 けど、母さん(カーサン)は名前も顔つきもモロ日本人だったし__


「あそこまで僕が背負いましょか。エリちゃん、お兄さんにおんぶされるか?」


「歩けるよ?」


「未来花さんも手伝ってくれるかしら?じゃあ後はやっとくから。中嶋君も西塚コーチと行って、帰り支度していらっしゃいな。お弁当も忘れずに持って帰ってね」


「コレもコレも。猫も一緒に連れてってー。ハイ!どうぞ」


   なんだか手際がいいニャーニャーゴ


「猫。えとドラだったか、鳴いてずにこっちに来い。お前も水浴びするのか?」


 それは嫌なので黙って従いますょ


「それでは後、お願いします。コースケ、行こう」


「……」



 広輔(コースケ)は下を向いたまま歩き出した

 コーチ(オニギリ)も無言で歩く

 僕も右に習えで黙ってる

 気詰まりな空気が漂っているよね


 「ストップ」


 と、コーチ(オニギリ)が足を止めた

 広輔(コースケ)の頭をクシャっとして、その後に項垂れ(うなだれ)てる背中をポンと叩いて言った


「シャンとせんか。エリちゃんと猫も連れて帰るだろ、元気ださんと。まっ!俺も大人気(おとなげ)なく言い過ぎたわ。あの人は……嫁さんは一寸あってな。俺は傍にいる間は盾になりたくて……。だからさ。コースケの“守ってやらないと”って、漢気(おとこぎ)というかその勇ましい所も理解する。認めているさ」


「ごめんなさい……うっ、うううぅ」


「ぉぃ、泣くのはいいが格好よくないゾ?ここにいる間だけ。声は抑えてナ」


 緊張の糸が切れたんだな

 頻りに(しきりに)目の当たりを腕で拭ってるのは泣きべそかいてるからに違いない

 でも、ちょこっとフォローをいれたりして西塚(オニギリ)って案外良いやつだな

 流石、父さん(トーサン)がメンバーを任せた人間、と思う





「今日はありがとうございました」


「アスカお姉ちゃん、クボ君のお母ちゃん、アニアさん、えっとコーチのニシヅカお兄ちゃん、ありがとうございました」


 大好きなポンスケのカットバンが貼られた、手の甲を満足気に眺めて、ご機嫌な恵梨(エリ)お嬢様です

 アニアってさっきのヤンママ風おばさん(カーサン)が、秘蔵モノを特別に貼ってくれたらしい

 “ご褒美シール”の代わりなんだってさ

 ニオイを嗅がせてくれたけど変なのー、僕クシャミしちゃった


「お疲れ様でした!」


「はい。おやっとさぁ」


「「「また今度な〜」」」


「恵梨ちゃん、また遊びに来てくれるかな……今日はごめんね」


 未来花(スエスエ)がそっと手を恵梨(エリ)の頬にあて、名残惜しそうに口元を綻ばせた




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