表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕等たすゴマメがひとり同盟   作者: ももいろ珊瑚
16/20

16、赤鬼か青鬼か、それは問題じゃないょ

 


「……ごめんなさい」


 消え入りそうな声が聞こえた

 見ると未来花(スエスエ)が青い顔して小刻みに震えてる


   余っ程(よっぽど)、怒られたのが怖かったのか?

   わかるよ僕……可哀想になっちゃった、元気だして


 仕方ないよな、広輔(コースケ)の剣幕には父さん(トーサン)だって舌を巻くときがある程なんだ

 砂場に座り込んじゃってる肩に頭をもたげ、顔をスンスンして慰めてあげた


「大した怪我しちょらん様ね。手を擦りみたか。消毒が必要だな。久保、救急箱を取ってきて。他の人も休憩してよし。チェストいけ!」


 恵梨(エリ)に走り寄り、あちこちの具合をどうか見ていたコーチ(オニギリ)がキャプテンの久保っちを呼んで命じた


「「「チェストー」」」


 と叫んで久保っち(クボッチ)以下、他メンバーは“見守り隊本拠地”へと走っていった

(“チェストいけ”って“必死こいて行ってこい”という意味らしくて、カッコイイ!とこの夏メンバーはみんな“チェストーチェストー”らしいって鹿児島弁解説とチーム事情は横に置いといて)

 ホントだ、肘が擦りむいて少し血が滲んでる

 それを広輔(コースケ)も覗き込んで見てる


「痛くないか?」


痛ない(いたない)、こんなんヘッチャラ。洗って乾かしたら何ともない。ウチなぁ転んでも泣かへんねん。キズいってもバンドエイド自分で貼れるしぃ。だからコースケそんなに心配してる顔せんでええから。コーチのお兄ちゃんも」


「他に痛いところは無いかな?」


「うん、あらへん」


「強い子だなー。お兄ちゃんは“西()()”ね。ちょっとだけ待っててね。さてコースケ。確かに不手際はあった。がお前、物言いがやぜろしかぁ」


 オニギリがしかめっ面で言って、聞いた未来花(スエスエ)の目が大きく見開いた


(るゅー)


 制しようとした手をとり、未来花(スエスエ)を引きあげて立ち上がらせ、続けた


「“責任持て”?恵梨ちゃんを連れて来たんなお前だろ?未来花(あすか)は文句言わず引き受けちょったよな?そんなキツい物言いしよるんは、どう言うこと。責任じゃぁ言うなら、ああ俺にはある。俺に言えばよかと。それにな、小さい子にじっとしてろ、動くなって(こく)だわ。遊びとうなって当然と思うよ」


「オレは。こいつが怪我させられたと聞いってカッなって……。考えればそうですね、責任転嫁しているとすればそうですね」


「わかってくれるか?大人だって一個の人間、皆が皆、完璧じゃないよ。予測つかないこともあるからさ。失敗もすれば叱られもする。だが一つをとって全否定する様ことを誰が出来る?そんなのはダメでしょ?」


「でもコーチ」


「エリちゃんは見た通り怪我して傷ついてる。怪我だけじゃなくて()()()も。失敗したと知って内心傷ついていたりするんだよ?見て取れなくても、言ってなくても、だ。傷ついた二人に追い討ちをかける、それで()()()満足かっ!」


 さっき迄、納得いかなくて顔を真っ赤にしてた広輔(コースケ)が、今は青い顔してる


「……コーチ、オレ。すみません。謝ります。未来花(あすか)さん、調子にのって生意気言って、ごめんなさい。責めてしまいました」


「ううん、違うよ。コースケ君は正しいことを言ってくれてる。私の考えが足りなかった。大変な事になっていたら……恐ろしくて、申し訳ない……本当に」


 とうとう泣き出しちゃった……未来花(スエスエ)


「ウチが悪いの。アスカさんは悪いことないよ。鉄棒やってみたくて、ウチが我をはったんや。危ないよって言ってくれた、ねっ?お姉ちゃん。そうやんね?泣かないで。ごめんなさいお姉ちゃん」


「エリちゃんは、正直で優しかね。お姉ちゃんは辛かったこと思い出しちゃったみたいなんだ。だからエリちゃんは気にしなくていいんだよ。大事に至らなかったのだし未来花(スエスエ)も、もう泣くな」


 そう言って、涙がこぼれ出している未来花(スエスエ)の肩をぐっと抱いた




鹿児島在住の知人にお伺いを立てたところ、

今の若者はほぼほぼ“鹿児島弁・薩摩弁”を使っていないそうです。

私的に残念な結果でしたっ⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ