15、僕、超感激なんですけどぉ〜
シャクッ、ワサワサ＿
ワッササササシャーシャッシャーシャッ………
イイじゃんココいいよ白砂いっぱいあるよォーッ
……アー取り乱し中でした、失礼
言ってた鉄棒に到着しました
至ってシンプルな、大人の背より高い2連が繋がったもの
広輔の学校にあったのの倍くらいか？もっとかもしれない
でね〜ぇ
側に砂場にしてある所があったのよ
こんなにいっぱい白砂の、それも石つぶて混入が少なく、耕してあるかの如く程よい猫手感のする砂場を見たの初めて、超感激したワ
この興奮度を表したくて思いっ切り砂かきしてみましたが、どう？
気持ちが落ち着いた所で、トリマ端っこにチョットだけマーキングしとく
記念にね、トイレはしないですょ
リードの先は鉄棒の端の支柱に結ばれてる
二人が遊んでる間、リードが伸びる範囲で自由行動しちゃってますょ♪
二人はと言うと、ぴょんぴょんしても、にぎり棒まで全く届いてない恵梨を未来花が、どっこいしょと持ち上げました
そいでにぎり棒に掴まらせてもらった恵梨は、体を前後にぶらーんぶらんしてハシャイでます
そんなに楽しいかな？腕が疲れるのにねぇ
あのネ、僕は出来ない訳じゃなくて
出来るんだけど好きじゃないんだ
でもナイショだよ
「あんまり強く足を振ると危ないよ。手が疲れたら言ってね。飛び降りると足を捻るかもだからね」
「あのネ。ウチのお父ちゃんはね、もぉ〜っと凄いんや。グルグルグルやねん。ウチも大きくなったらお父ちゃんみた……アッ＿ 」
「恵梨ちゃん！」
鉄棒を握ってた手がほどけて恵梨が飛んで……こっちの方に
キタッ いや来るなァァァ
ザザッ＿バサッ
「あ〜ビックリした。えへへ♪」
えへへ♪じゃナインデスガ…………
「背中は？打ってない？頭は？お腹のここ痛くない？」
「うん、平気。手がつるっとした、ビックリ。失敗したぁ」
「本当に何ともない？急に手を放して飛ぶなんて……怖い」
心配しまくりの未来花が、恥ずかし笑いしてる恵梨のことを、覆い隠すように抱きしめた
「……わぁー汚れるよ？ウチ砂まみれやねん。それにドラもやで」
そう、君のとばっちりでね
不時着時の足が砂を飛ばして、それに僕が襲われました
だが直接クラッシャーしないでくれて助かった
突然の恐怖に僕、動けなくなってたもん
そして僕が身震いして引っかぶった砂をはらった時
「おーい大丈夫かー」「何やってんの！」「何があったん？」「怪我してへんかー？」
近くで練習してた誰かがこっちに気がついたのか、メンバーが練習を中断して一斉に、オニギリも、わさわさ走ってくる
あっ！広輔が顔を赤くして怒ってる
慌てて二人の後ろに隠れる僕
マズイ！砂まみれなの見つかっちったな、帰ったらこりゃ風呂場に強制送還だわ
「恵梨！大人しく見てろって言ったろ！危ないことしちゃダメ！」
ハッ！僕に怒ってない？
大きな声で叱りつけられ、笑うのを止めたエリが身をすくめてる
「未来花さんも、ちゃんと見ててくれなきゃ！責任もってしてよ。大人なのにさっ。」
未来花にまで怒って、吐き捨てるみたいに言う
どうしてそんなに怒ってるの？
僕が庭の木のてっぺんから飛び降りたって、こんなには怒らないよね？
