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僕等たすゴマメがひとり同盟   作者: ももいろ珊瑚
14/20

14、声の調子で読みとるのは人心掌握術の基本だよん

 

 ノドの渇きをいやしてトイレの場所を探したくなった

 恵梨(エリ)も退屈だよね?


   一緒に探検しに行こうよォー


 グフッ__

 座ってたベンチを飛び降りて走り出そうとして、オニギリ嫁さんに捕縛(ほばく)された


「あっぶなっ!ドラ猫くん!君は死にたいのかぁ?

これを見てみな、逃亡しないように(くく)りつけてあるんだよ。首が締まって死ぬるところだったよ。」


 おーおー忘れてた

 マジで首輪の性能試験するトコだったわ

 危ういトコだった、サンキュー嫁さん

 オニギリの嫁さんから未来花(スエスエ)にしてあげる


   ミャン


「キャー!何そのつぶらな瞳♡」


 ギュギュギュwwwってやめてぇお願いします


「そ〜お姉さんとお散歩に行きたいの?じゃあ行きましょうか」


「お散歩?ウチも行く♪」


「当たり前よ、恵梨ちゃんも一緒。レッツゴー!」


 ケースに括り付けられてたリードを、未来花(スエスエ)が解いて手に持った

 スエスエって?

 オニギリが甘えた声で嫁さんをこう呼んでたのさ

 つまりね、甘え声でこう呼ぶと……


 ミャン(スエスエ〜)


「ドラちゃんなぁに?お姉さんに言ってみなさい♪」


 そう言って人差し指をいっぽん、僕の顔に近づけたからつい嗅いじゃう

 それから抱き上げて、ふうっと僕の鼻先に息を吹いた

 うぉー甘い匂いのおまけ付き!

 ねっ、意思疎通をはかってくれただろ

 成功成功



 僕の先導で、広輔(コースケ)達の練習を邪魔しないようにグランドの端を通り、木が植わってるネット裏まで来た

 他の猫の縄張りを確認つつ、イイ感じの白砂(しろすな)に目星をつける

 二人に観察されてるとマズイんだけどなぁ


「トイレするんかな?」


「みたいね。恵梨ちゃん、あっち向いててあげよっか」


「どうして?」


「きっとドラちゃん、恥ずかしがると思うよ?」


「あっドラも恥ずかしいんか。私らと同じやね」


 そうだよ、僕にも猫権(ニャンケン)というものがあるのさ

 誰しも人権は守られるべきだ、って父さん(トーサン)も日頃言ってるよね

 猫にだって()()()()()それはあるのさ

 言い忘れてたけど父さん(トーサン)は人権問題に特化した事務所で働いてる、つまり弁護士さんだよ



「あそこに鉄棒がある!やってみたいな……アカンかな」


「あれはちょっと恵梨ちゃんには高すぎるね」


「ぶら下がるだけでもアカン?」


「それくらいなら私にも支えられるかな……行ってみようか」


「うん♪」


 満面の笑みで恵梨(エリ)未来花(スエスエ)を見つめてる

 トイレも確保したし次は鉄棒まで探検だ!




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