成人式の帰りに
成人式が終わって創太が家路につこうとすると、中学の頃から彼と仲が良かった美咲も一緒についてきた。2人は肩を並べて歩く。
「創太はこのあとの同窓会には行かんと?」
美咲の質問に対して創太は苦笑した。
「大して仲良いやつもおらんけん」
「あはは、寂しいなぁ」
「うるさいぞ。そう言う美咲はどうなんだよ」
「私は明日仕事やけん、これから新幹線で東京に帰らんといかんっちゃん。ひどくない?」
「まじか、やっぱ社会人って大変なんやな」
「ほんと大変だよ。せっかくみんなと会えたのになぁ……」
彼女がしょんぼりするのを見て、創太は悩んだ末に、これが余計なお世話にならないよう祈りながらおそるおそる提案する。
「その、俺でよかったら見送ろうか? どうせこのあと何もすることないし」
「ほんと⁉︎ 嬉しい! やっぱり創太はデキる男やねぇ。さすが私の元カレなだけあるよ」
「あはは、あんま褒められた気がせんな」
「なんでよ!」
二人は遠距離が理由で高校卒業と同時に別れた。だから、創太も美咲もせめて今から新幹線が出発するまでの間は、当時の幸せな関係に浸っていようと思った。
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