恐怖の大魔王
桜井さんが家に訪ねて来てから一週間がたった。
この一週間で桜井さんは仕事を完ぺきにこなすようになって私の仕事はだいぶ楽になった。
とても素晴らしい、本来ならば喜びで今日もピザとビールを満喫するところなのだが……とても気になる事がある……。
桜井さんは反科学の怪しい宗教団体に所属しているはず……なのに科学会社にわざわざ転職してきた……。
そして三島ゆうの高校時代の先輩だとか言っていたが親しい先輩で携帯電話の番号を教えているのであれば桜井さんの名前が登録されているはずなのに未登録の番号であった。
今日はビールがまんして本当の三島ゆうに会いに行こう。
私が成りすましている三島ゆうは生きている。
私が眠っていた施設を三島ゆうが所属する研究チームが発見し関係者以外が装置をいじると爆発するようにしていた罠で三島ゆう以外は爆発に巻き込まれて死亡。
運よく三島ゆうだけ生きていたが重傷だったので私が使用していた生命維持装置につなげて治療をしている、現代の言葉を教えてくれたのも三島ゆうである。
施設は山奥にある。
正直面倒くさいので行きたくない。
面倒くさがりながらも施設へ向かうと途中で桜井さんの姿を発見。
桜井さんは施設の入り口の一つだった爆発した場所の前に立っていた。
何でこんなところに桜井さんが……。
そんな事よりも今出会うのはまずい気がする、仕方がないので一番遠い入り口まで行こう。
今の所ばれている入り口は一か所でその一か所は爆発したのでそこからは内部へ入る事は出来なくなっている。
周りに人が居ないのを確認しながら施設の中へ入る。
「ゴルさんこんな夜中に何しに来たんだい?」
ゴルとは三島ゆうがつけた私のあだ名である、昔恐怖の大魔王がやって来るとかいう話があったらしく、この施設を見つけた時に大魔王と関係しているかもしれないと真剣に調査していたらしい。
確かに場合によっては恐怖の大魔王になるかもしれない。
「三島さんちょっと聞きたいことがあって今日は来ました、急だったので差し入れは無いです」
「え~」
「定期訪問の日にはちゃんと持ってきますから」
「で、今日はどうしたんですか?」
「桜井瞳という女性について確認しに来ました」
「桜井瞳???だれですか???」
「最近会社に入った人で高校の科学部の先輩だと言っていました」
「私、高校は生物部でしたよ?」
「え……携帯電話の番号も知られてましたよ……」
「怖!!!」
「いやいやいや、私の方が怖いですよ……今一緒の職場で働いているんですから……」
「そういえばさっき爆発したところに立っていました」
「うーん、研究チームのメンバーにも桜井なんて苗字の人は居なかったが関係者の親族とかかな?」
「とりあえず高校の先輩という設定のまま話合わせるしかなさそうですね……」
その日は帰りに出会う可能性もあったので施設に泊まって朝帰る事にした。
折角の週末が……ビール飲みたい……。




