9:『もう…ひとりじゃないよ。』
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「逃~~~げ~~~ろ~~~~~!」
三人はパルド町を出発して、ダルマン王国に向かっている途中サンドワームの大群に襲われていました!ぞろぞろと追いかけてくるサンドワームから逃げ回っていると、王国の門が見えてきました!
「門が見えるぞ!兵士も何人かいるし加勢してもらおう!」
かんなはそういって門に向かって手を振りました。
それに気付き砂埃を上げてこちらに向かってくるものを迎撃するため増援を呼びに行きました。
三人が門に近づいて走っていると、女の子を中心に兵士がずらりと並び、剣を構えているのが見えました。通り過ぎる瞬間女の子にこう言いました。
「あとは任せた~~~!」
「つんっ」とした態度を取った女の子が剣を掲げ振り下ろした瞬間兵士たちが一斉にサンドワームに切りかかりました!すると、三人では倒しきれなかったサンドワームを一瞬で倒し切ってしまいました!
「「「お~~~」」」
自然と三人から拍手が出ました。
後ろで見ていた三人に女の子が近寄ってこう言いました。
「あなたたちは馬鹿ですの?!サンドワームは走るものを追いかける習性がある事くらい調べてから砂漠に入りなさいよ!」
ごめんなさいと頭を下げると三人を仁王立ちして怒っている女の子がさくらの腰の鈴に気づきました。すると、驚いた顔をして慌ててこう言いました。
「あなたこの鈴をどこで手に入れたの!」
さくらは村の人に貰ったことを伝えると、城に来るように言われました。
三人は門をくぐり中に入ると、店が並んでおり市場はたくさんの人でにぎわっていました。女の子の後ろについていくとまた大きな門がありました。
中に入ると立派な城が立っていました。立ち止まって城を眺めていたさくらとかんなに早く来いと女の子は手招きしました。城の王室に着くと女の子が王様にこう言いました。
「ダルマン様この方々は女神の鈴を一つ持っております」
「なんと!では、この者たちがエリカの探しておった者たちなのだな?」
エリカはハイと頷きました。三人は何の話をしているのか分からずただ棒立ちしているしかありません。
「失礼!挨拶が遅れましたな。私は国王のダルマンと申します」
「私の名前は雪能瀬えりか。砂漠で倒れているところをダルマン様に助けて頂き今は兵士として仕えています」
三人も挨拶を終えるとさくらが鈴について聞きました。すると、ダルマンがこう言いました。
「さくら殿が持っているのは『女神の鈴』と言い、この世界を守るためのものなのです。本来三つで一つなのですが、大陸同士の争いでバラバラになってしまったのです」
「三つ揃えて西南にある神殿に向かうと女神に会うことができるとも言われています」
鈴を集めれば女神に会えることを知った三人は残りがどこにあるのか聞きました。
「一つは私が持っています。もう一つは東南にあるコルド国の女王を持っているはずです」
さくらはダルマンにどうにか鈴を譲ってくれないか頼みました。すると、ダルマンからある条件が出されました。
「北西にある獣人の森に特殊な魔物が住み着いて商人たちが森を通れないのです。この問題を解決して頂けるのであればお譲りしましょう」
三人はその条件で引き受け森に向かうことにしました。すると、ダルマンはえりかに三人と一緒に行くように言いました。
エリカを仲間に入れて北西に向かい橋を越えると森が見えてきました。
中に入って奥に進んでいると木の上で何かが動きました。見上げるとそこには金色の瞳をした猫型の獣人がこちらを伺っていました。さくらが呼ぶと一匹下りてきてこう言いました。
「人が入ってくるの珍しい!助けてほしい!」
何があったのかと尋ねるとこう答えました。
「わたしたちミャオは奥の村で暮らしてた。でも、ウォーウルフが住み家を奪った!力のないミャオたちは村から離れて森に逃げた!ウルフは言葉話せないからどうにもできない!人ウルフたちを追い出して!」
必死なミャオ族のお願いを四人は引き受け森の奥に向かいました。
すると、二足歩行で歩く青い瞳の黒いウォーウルフを一体見つけました。
「どうするよ?めちゃくちゃ強そうだぞ!あの爪やばいって!」
「そう言っても戦うしかありませんのよ!」
茂みに隠れながら伺っているとウルフはこちらに気づいてしまいました!
覚悟を決めてかんなとえりかが飛び出しました!
えりかが切りかかるが毛が固く剣が通りません!すかさずかんなが打撃を与えましたがこれも効きません!
「ゆりは魔法で援護してくれ!さくらは弱点探してくれ!」
二人は頷き各自役割に徹しました。すると、さくらが図鑑から弱点を見つけました。
「胸の部分は毛が薄いから剣で切れるよ!」
それを聞いてかんなはゆりに氷の魔法をウルフの足にかけさせました!
足を止めたウルフにかんなは上空から連続でパンチを繰り出し、両手でパンチを防ぐウルフの胸にエリカがすかさず切り込みました!
見事致命傷を与えウルフは倒れました!ですが、奥から一体また一体とウルフが現れます!囲まれてしまい絶体絶命かと思われたその時奥から声がしました。
「やめるのじゃ!」
すると、銀色の毛をしたウォーウルフがゆっくりこちらに向かってきました。言葉を話すウルフに一同は驚きます!他のウルフは体を伏せて銀色のウルフを見ていました。
「人よ、なぜ来た?また奪うのか?」
その問いが分からない一同はどうしてミャオたちから村を奪ったのかと聞き返した。
「わしたちから森を奪った人間が何を言っている?数も少ないわしたちが滅びるのも時間の問題だ!平穏に暮らすために、自分の種族を守るために人間がしたように弱いものから奪うしかなかったのじゃ!」
茂みに隠れていたミャオたちもその話を聞いていた。
「ひどいよ…」
俯き小さくそう言ったさくらは顔を上げ言いました。
「あなたたちの住む場所作ってあげるから!だから待って!」
そういって一人で城の方へ走っていきました。びっくりした三人も慌てて後を追いかけました。
城に着きダルマンに事情を話しました。
「私たち人間がしたことで問題が起きているのなら黙っては置けませんな!北の山を立ち入り禁止区域に指定しウォーウルフの暮らせる場所を作りましょう!」
こうしてミャオは元の村を取り戻し、ウルフは新たな住み家に向かいました。森も昔のように通れるようになりました。
その夜、かんながなぜあんなに怒っていたのかさくらに聞きました。
「弱いものいじめが許せなかったの!人って自分より弱いものを見つけると、いじめたりからかうでしょ!」
強く言ったその言葉に続けてこう言った。
「私ね昔は暗い子だったの。それに小さくて弱そうだから中学でいじめられてたんだ。友達もいないし学年上がっても特に変わらずで、自分の居場所ってどこなのかな?ってずっと考えてたの」
暗い顔をせずいつもの感じでそう言いました。
「それで自分を変えようと思って明るく振舞う練習とか頑張ったんだ!知り合いのいない高校に行って友達作ろうって、でもその時には友達の作り方も分からなくなっちゃってた」
へらっっと話すさくらをかんなは強く抱きしめてこう言った。
「大丈夫…あたしがいるよ。ゆりもえりかも…」
「もう一人じゃないよ…。ずっと一緒にいてあげるから!」
その言葉でさくらの堪えていた涙があふれ出た。声を出してうれしくて大泣きした。やっと見つけた自分の居場所、やっとできた掛け替えのない友達に囲まれて。
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