11:『わたしはあなたを許しません!』
国境に着いた4人は憲兵に3000Gを払い防寒具を貰いました。コルド平原に出ようとしたとき憲兵がこう言いました。
「死ぬなよ」
物騒だなと思いながら外に出ると猛吹雪で前すら見えない状態でした。
「「「「(これは死ぬだろ)」」」」と4人は思いました。
数メートル単位で立ててある旗を目印に辿って行けばリーズ村に着くらしいのでこの猛吹雪の中、4人は歩き始めました。
すると、突然目の前に全身長い毛に身を纏った魔物が4人の前に現れました!
「なんだこいつ!」
慌てて戦闘態勢に入ろうとするとその魔物はさくらを抱えて大きくジャンプして姿を消しました!
「お、おい!待て!」
さくらの叫び声はすぐに遠くになってしまいました。3人は急いでリーズ村を目指しました。
あれから一時間ほどかかりようやくリーム村にたどり着きました。三人は先ほど遭遇した魔物について村の人に聞き込みを始めました。
すると、武器屋の店主がある情報を教えてくれました。
「それは氷の魔女が連れている『イエティ』だな。村のはずれにある小さな小屋に住んでいる噂だ。」
さくらが心配な三人は急いで魔女のいる小屋に向かいました。
「ん~~?ここどこ?」
目を覚ますとそこには家の中でした。きょろきょろと家の中を見ていると声がしました。
「目が覚めましたか?」
声の持ち主は白く綺麗な長髪の女性でした。
女性はさくらに温かい飲み物が入ったマグカップを差し出しました。
「うちの子がご迷惑をおかけして申し訳ございません」
女性は深々と頭を下げて言いました。なんのことかと考えていると後ろにあったもじゃもじゃがのそのそと動きました。それを見て自分に起きたことをさくらは思い出しました。
「もがもが」
もじゃもじゃの魔物も深々と頭を下げています。
「申し遅れました。私はアイスと言います。この子はイエティのリームです」
さくらはどうして自分がここに居るのかと質問しました。
「リームが私が一人で寂しいのではないかと思って歳の近い女の子を連れて来たみたいなんです。本当にすみませんでした」
「そっか、見かけによらず優しいんだね」
そう言われてリームは照れながら頭を掻きました。
「そうだ!みんなと合流しなきゃ!」
「どこかに向かわれているのですか?」
「コルド女王に会って鈴を貰いに行かなきゃいけないんだ!」
それを聞いたアイスはこう言います。
「そのまま王国に入れば凍えて死んでしまいます。少し待ってください」
そう言われて待っているとアイスはさくらにコートとミトンを渡しました。
「イエティの毛で作ったコートとミトンです。これで王国内の寒さにも耐えられます」
「どうしてそんなに詳しいの?」
「昔、王国内で暮らしていたんです」
アイスは寂しそうな顔をしてそう言った。さくらは他の3人分のコートとミトンを貰い小屋を出ようとしました。すると、アイスがこう言います。
「私も付いて行ってよろしいですか?」
さくらはもちろん!と返事をしてアイスとリームを連れ小屋を出ました。
三人が氷の魔女の住み家に向かっていると、目の前にからさくらが白い魔物と女性を連れているところに出会いました。
三人は戦闘態勢に入りましたが、さくらはすぐに止めて自分の身の安全を伝えます。さくらは自分に起きたことを三人に話しました。
リームとアイスは頭をぺこぺこ下げて謝罪しています。アイスは三人分のコートとミトンを渡し王国へと向かいます。
「現在コルド王国は立ち入り禁止だ!」
門前払いに会いそうになるがアイスが四人の前に出てこう言いました。
「私の名はアイス。コルド王女の一人娘です。」
4人はびっくりして言葉が出ませんでした。ですが、門番は違います!
「アイス様は死んだ!ふざけたことをぬかすな!」
剣を抜きアイスの方へと向けます!
「この女神の鈴が何よりの証拠です!さあ、門を開けてください!」
それはコルド王女が持っていると言われていた三つ目の鈴でした!
「そんな!まさか、生きておられたのですか!?急いで門を開け!アイス様がおかえりになられたぞ!」
門番たちは慌ててアイスたちを王国内に入れました。そして、アイスは4人を城内へ案内します。
王室へたどり着くとそこにはアイスと同じ、真っ白な長髪の女性が椅子に座っていました。女性はアイスを見てこう言います。
「アイス!よかった!生きていたのですね!」
どう見ても母と子の感動の再開でした。ですが、アイスはこう返します。
「お母さまの真似事はやめてください!」
「どうして?そんなことを言うの?」
悲しそうな顔をして女性はいいます。そして、アイスはこう強く言います!
「あなたは偽物だからです!」
「私とお母さまは山の主であるコルドタイガーの様子がおかしいことに気づき、何かあったのではないかと様子を見に行きました。山道を歩いていると女性が倒れていてお母さまはすぐに城に連れて帰ろうとしました。ですが、その女性はお母さまを魔法で殺したのです!」
女性は静かに聞いていました。アイスは続けて話します。
「私も同じように魔法で殺されかけましたが、この女神の鈴が守ってくれました!山で置き去りにされた私はリームと出会い体が回復するまで城を離れていました。」
黙って話を聞いていた女性は口を開きます。
「その鈴が本物だと言う証拠があるのですか?」
そう言い、女性も女神の鈴を出しました。すると、アイスはさくらに鈴を出すようにお願いしました。三つの鈴が揃うとと鈴の色が銀色から透明へと変わりました!
「これが証拠です!ここにすべての鈴は揃いました!」
すると、女性の表情が一変します!
「そうか…手間が省けたぞ…全員ここで死ぬがいい!!」
そう言うと、女性の髪は真っ黒に色を変え、服装も漆黒のドレスに変化しました!
「私は魔女ノワール…世界を手に入れる者だ!」
さくら達は武器を構えます!すると、強い風が吹いたと共に、王室のガラスが割れ黒いオーラを纏ったコルドタイガーが現れました!
「シロ!」
アイスはコルドタイガーにそう呼びかけます!ですが、その声は耳には届きません!必死に呼びかけるアイスをゆりは魔法でサポートします!
えりかを先頭にかんなとさくらが続いてノワールへ切りかかりました!
ですが、黒いオーラで攻撃は防がれてしまいます!
「無駄だ!!」
その言葉と同時に物凄い風圧で三人は吹き飛ばされます!
アイスを守っていたゆりの魔法ももう限界が来ました!
「アイスを殺せーーーー!」
シロの振り下ろした鋭い爪がアイスに当たる瞬間シロはピタッと手を止めました。
「どうした!!なぜ、手を止める!!」
アイスがシロの顔を見ると、瞳から赤い涙が流れていました!
「そうだよね、辛かったよね、大丈夫、もう辛い思いはさせないから。」
そう言ってシロの頭に手をかざすと纏っていたオーラは消えて無くなりました!
「まさか!どうして洗脳が溶ける!」
シロから白く冷たい冷気が流れ、コルドタイガー本来の力を取り戻しました!
「そんな!ありえない!」
そう言いノワールはもう一度洗脳をかけようとしますが、シロには全く効きません。
勢い良くノワールに飛び掛かり、鋭い爪で切り裂こうとします!ノワールはそれを黒いオーラで防ぎます。だが、シロの攻撃に耐えきれなくなったオーラは爆ぜて消えてしまいます!
そこにシロの後ろから付いて行った、えりかとかんなが一撃を与えます!
血を吐きながらまだ戦おうとするノワールの前にシロが立ち塞がります!
シロはノワールの首にかみつき息の根を止めました。すると、叫び声と共にノワールの身体は砂になって消えてしまいました。
「みなさん、ありがとうございます。私は二代目コルド王女として王国と村の住民を守っていきます」
アイスは母の死を受け入れ王国を守ることを四人に誓った。さくらに女神の鈴を渡し4人を見送った。
世界の危機を救った4人は女神の神殿へと向かう!




