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プリンセス・ブレイド  作者: 貴乃まさ吉
10/12

10:『調子に乗るべからず。』

誤字・脱字ありましたら報告頂けるとありがたいです。

「おい!おきろ!」


そう言いながらかんなはさくらの毛布を取り上げました。


「ん~~あと5分~」


漫画みたいな返事にかんなは呆れた顔でゆっりく頷きました。すると、ゆりが魔法でさくらの寝顔に水を掛けました。

びっくりしたさくらは飛び起きて寝ぼけながら何事かと周りを見ました。


「早く着替えろ!ダルマン様のところに鈴貰いに行くぞ!」


「すぐ着替えるよ~」と言ってさくらは支度をはじめました。


~王室~

「おはようございます。皆さん、昨夜はよく眠れましたかな?」


一同は「はい」と頷きダルマンは白く長いひげを満足そうに触っている。


「それは良かった!では、本題に入りましょうか。これが女神の鈴です。どうぞ」


そう言われさくらに手渡され「ありがとう」とお礼を言った。これで残るはコルド王女の持つ鈴のみになりました。すると、ダルマンが思い出したかのようにこう言った。


「そうそう、コルド国に入るには国境でお金払わなければなりません。ですからこれは通行料と途中の宿代などに使ってくだされ」


そう言い巾着にたんまり入ったお金をさくらに渡しました。

あまりのボリュームにさくらは目をまんまるにして巾着を抱いています。すると、ゆりがダルマンに聞きました。


「この巾着にいくら入っているのですか?」

「10000Gほど入れておきました」と笑いながら言った。

一同は金額を聞いてびっくりしました。何故なら依頼で稼げる一日の金額は一人で200~400、4人で頑張っても900~1200程度です。10000Gなんてかなりの大金です。


「ありがとうございます!旅の資金にありがたく使わせていただきます」


一同は丁寧にお礼を言い、ダルマンと使用人たちに別れを言い王国を出発しました。ダルマン王国と国境の間にあるネーマと言う町によることにして歩き出しました。


特に魔物に出会うこともなく、歩いていると突然さくらが言いました。


「みんなってゲーム好きなの?」

「なぜ急にそんな話を?」ゆりは言いました。

「だって、ゲーム始めたからこの世界に連れて来られたんでしょ?みんなゲーム好きなのかな~って」

「あたしは好きだぞ!弟たちとよくやるし!」かんなが言いました。

「私はプリンセスシリーズしかしませんわ」えりかが言いました。

「私はあまりやりませんね。姉さんがつけっぱなしにしたゲームをなんとなく始めただけですし」ゆりが言いました。

「この旅が終わったらみんなでゲームしたいね」


さくらがそう言うと「何がしたいんだ?」とかんなが聞いた。


「ドカポン!」


二人の反応はなかったけれど、かんなは「それはない」とすぐに返した。



そうこう話しているうちにネーマに到着しました。

「もうすぐ暗くなるし先に宿取って街中を見て回ろうぜ」とかんながいい宿屋に向かいました。部屋を取ってさっそく町を見て回っているときらきらと派手な装飾で大きくカジノと書いた店を見つけました。


「すっごーい!カジノだって!入ってみたい!」さくらは店を指差して言います。

「面白そうだな!入ってみようぜ」そういってさくらとかんなは店に入っていきました。「私たちは他のお店も見てきますね」とゆりとえりかたちとは別行動になりました。

お店に入るとたくさんの人がいてとても賑やかです。


「お~人がいっぱいいる~かんなちゃんどれやるの?」

「ん~あんまり複雑なのは分かんないし、単純なのがいいな」


そう言いながらテーブル前の説明書きを見て回っていると『ハイ&ロー』と書かれたテーブルを見つけました。「1~9のカードを並べ左側のカードの数字に対して数字が高いか低いかを当てるゲーム。1チップ=100G」と書かれた説明を二人は読んで簡単そうだしこれにすることに決めました。


「一人用なのでどちらかおひとりお座りください。チップは何枚いたしましょう?」

「さくら座りな。あたしは後ろに立っとくよ。チップは10枚でお願いします」

「はい。では、始めましょう」


ディーラーが良く切ったカードを並べ左側を一枚開いた。

「それでは、チップの方を賭けてください。枚数の上限はありません」

「数字は『2』か、さくらハイに2枚賭けとけ!」

「うん!分かった~」


ディーラーがカードオープンすると数字は『4』見事的中しました。

「おめでとうございます。それではチップ二枚支払います。」

「やったー」

「このまま支払われたチップを上乗せして当てますと、二倍支払いになる『ダブルアップ』がありますがどうしますか?」

「『4』だろまだいけそうだな!さくら賭けちまえよ!」

「よーし!倍プッシュで!」

「それではオープン!」



「この蛇のアイス美味しいですわね」

「そうですね。かんなさんに教えて頂いたのですよ。はじめは食べ方に躊躇しましたが」

ゆりとエリカは買い物を終えて蛇アイスを食べながらカジノの方へ向かっていました。

「あの二人意地になって使い過ぎてなければいいですけど」

「大丈夫でしょう。あれだけ王様から貰ったお金がありますし簡単にはなくなりませんよ」


そう言いながらお店に入ってさくら達を探しました。すると、人だかりのできたテーブルを見つけゆりは見に行きました。


「見事5連続的中されましたので計64枚支払わせていただきます」


「お~~~」と言う歓声を浴びているのはさくらのいるテーブルでした。目の前にはたくさんのチップが積まれていてさくらは「ぼーっと」チップを眺めていました。


「おい!しっかりしろ!さくらすごいぞ!」

肩をゆさゆさ揺られてもさくらは自分でも信じられないこの光景にただ「ぼーっと」しています。

「すごいことになりましたね」とゆりは言った。

「おお!来たか!すごいだろ!こいつやったんだよ!」

「金額的にはいくらぐらいあるのですか?」

すると、ディーラーがこう答えた。

「約10000Gでございます」

王様に貰った10000Gと合わせて合計20000Gもう依頼なんて受けなくても余裕で生活できる額になりました。

「では、そろそろやめて宿に戻りましょう」

「まだだよ!もう少しいけるよ!」そうさくらは言い20枚賭けた!

「おい!何やってんだよ!せっかく勝ってるのに!」

「もう少し!もう少しいけるよ~~」

目が完全にGになっているさくらには声が届きません。

もう、見守ることにしました。


~数分後~

「ほら!調子に乗るからだよ!」

「だって~~~だって~~~」

さくらは泣きながらとぼとぼ宿に向かっていました。

さくらは布団に入ってもいつまでも鼻をすすっていました。それだけ悔しかったのでしょう。


~次の日~

「さくらがいねえ!」

ゆりとえりかが起きた時にはもう布団にはいなかったそうです。

「あと、王様に貰ったお金も見当たりません」

まさかと思い三人は慌ててカジノに向かいました。


すると、テーブルにうつぶせになり泣きじゃくっているさくらがいました。


「おまえ…なにしてんだよ。」

「!」

そう声をかけると「びくっ」としてゆっくり振り返りました。何とも言えない申し訳ない顔をしてさくらはこう言います。


「ご…ごめんなさい」


三人は冷たい目をしてさくらを見ながらこう言います。

「さて、依頼受けにいくぞ。」

「そうですね。デビルイーターなんてどうでしょう報酬金高いですし」

「ゴールドマンティスの方が高かった気がしますわよ」


申し訳なさそうについてくるさくらにゆりはこう言いました。


「さくらさん…」

「はい!」

その声にびっくりして丸くなっていた背中がまっすぐになりました。

「さくらさんには死ぬ気で頑張って貰いますからね」


そういった時のゆりの顔はとても冷たい目でそれだけで二回は死んでしまうのではないかと思うほど怖かったのでした。


~四日後~


「ようやく5000G貯まりましたね」

「いやー、大変だったぜ」

「全くですわ!」


そんな話をしているところさくらは椅子に座って放心状態でした。なんせこの4日間で二回も死んでしまったのです。


一度目はデビルイーター討伐の際、触手で体を貫かれ、出血多量で死亡。

「あの触手痛かったな~。何回も何回も突き刺してくるんだもん。まさに悪魔ですよ」

「確かにあれは痛そうでしたわね」とエリカが言う。

「流石上級モンスター。大変でした」とゆりが言う。


二回目はゴールドマンティス討伐の際、鎌で首を落とされて死亡。

「首ってね、落ちても少しの間意識が残るんだよ。みんなが戦ってるところちゃんと見てたんだよ」

「なかなか消えなかったもんな」とかんなが笑いながら言う。


そんな自分の恐怖体験をぼそぼそとつぶやいていました。


「いつまで言ってんだよ!」とかんなはさくらの頭を軽くはたきました。

「元はお前が全額すったからなんだぞ!」

「わかってるよ~ごめんってば~」

はたかれた頭を押さえながらそう言います。


「さあ、そろそろ行くぞ!」

いろいろありましたが一同はコルド国の国境に向かってまた歩き出しました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

感想等頂けると嬉しいです。

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