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第2話 Psychic Bento Crisis(お題:伝書鳩パーティ)
混迷の時代、安らぎを求め社を目指しお遍路スケサクは旅をする。
それは社で心もまた授かれる、と知った後の事だった。行く先に、身を横たえた者を囲んで肩を落とす者らに出くわす。
どうしたのかと問えば、長旅に疲れもう先は長くないと言う。しかし彼らは大事な命を負っており、一人欠けても成さぬのだという事だった。
「お社の秘儀、心お弁当が狙われております。我ら、この一大事を知らせに参る途中。皆それぞれその文言を預かっており、この者もまた」
「なんと、わたしも向かう途中!」
「どうかわ、私の言葉を継いで、下され……」
足元から声は聞こえ、スケサクはその口元へ耳を寄せていった。最後の力を振り絞り言葉を預けたその者はやがて息絶えた。
立ち上がったスケサクの胸にさらなる使命は刻み込まれる。
「そなたらは……」
尋ねた時、囲う輪から一人、進み出た。
「我ら密命運ぶ、人呼んで伝書鳩。おぬしは?」
「スケサクという者」
「そうかスケサク。ようこそ伝書鳩パーティへ!」
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